“やり過ぎかな”って思うくらい大げさにやっています。本当は「セチ」っていう台詞だけでも、普通のテンションで言うよりも、「セチーッ!! 」って大げさに言った方がいいかな、とか。
そうして印象を残した方が、観ている方からしたら、話が展開した後、セチの身に何かがおこったとき、沸いてくる感情も違うのかなって。勝手に思っているだけかもですが、そう思ってます。
ーーそうした1つひとつの積み重ねで、ストーリーに感情移入しやすくなるかもしれませんね。
お客さんが皆、原作を見て来ているわけではないので、初演のときは、原作を見ずに舞台を観た方から「難しかった」っていう声も聞きました。
でも、今回はショートカットされて、より一層観やすくなったと思います。“もっと話が分かりやすくなるといいな”って、私たちも心がけてます。
私自身、初演のときは“こうしてみたいと思うけど、していいのかな…? ”って思うこともあったので、とにかく言われたことを突き詰めていたんです。
でも、今回は自分なりのやってみたいことも取り入れていて。だから達成感も大きいんですよ。
ーーそうそう、以前佐江ちゃんが話していた、例えるなら『美女と野獣』といっていた新曲は…? (第18回)
それは「テーベの歌」です! 第2幕で、キャロルがテーベの街に出ていくシーンがあるんですが、そこでの歌が、『美女と野獣』のベルが一番最初に、外に出て色んな人と話ながら歌ってるシーンみたいだなって。
あの歌はね、楽しいからこそ泣きたくなるの。歌詞もすごくよくって。演出家の荻田さんは天才です!! あんなに楽しそうな歌なのに、歌っていて泣きそうになるんです。
キャロルがテーベの街に出て、その歌を歌うときは、もう現代には戻らずにエジプトに残るって決意しているときなんです。メンフィスにも「お前を妃にする」と言われていて。
現代で考古学を学んでいたキャロルは、ずっと見てみたかったこの街の人たちに、「どこにも行かず、あなたが住んでいく街はここ」って認められ、キャロルは「ここで生きて行く」って決意する。そういう歌詞にも感動するというか。
エジプトに残る決心をして、皆から笑顔で迎えられている。最初は、好奇の目で見られていたからこそ、「あなたの居場所はここ」って、街中の皆が言ってくれるなんて! 幸せ!! って、泣きそうになるんです。
ーーうーーん!! もう観てしまった方にとっては、もう1度観てみたくなるお話ですね。これから観に行く方は、「テーベの歌」も含め、色んなところに注目したいところですね。
ぜひ観てみてください!
ーーところで、今日の取材は公演と公演の合間のお休みの日にさせていただいていますが、お休みの日は今、どんなふうに過ごしているんですか?
-
[最終回]「ミラチャイ」連載は「人間味のある宮澤佐江」を作った"ホーム"で"チャレンジ"できる場所&芸能活動を一時休止する理由とできた目標
佐江ちゃんにとって「ミラチャイ」は、「ホーム」のような感覚だった。なぜ今、お休みをするのか、ありのままの思いを話してくれました。約6年間、200回を超える連載の最終回です。
-
[第51回]宮澤佐江「ミラチャイ」連載の6年、200回も続いた理由がインタビューでみえたー仕事、境遇、思いに向き合う
48グループと舞台。2本の軸を歩むなかで出会った人たちが、佐江ちゃんにもたらした、卒業後の大きな変化とは。「ミラチャイ」連載を彩った数々の写真やエピソードで当時を振り返っていくと、約6年にわたる長期連載になれた理由が見えてきました。
-
[第50回]宮澤佐江と「ミラチャイ」連載の6年、200回以上を振り返っていくーやっと笑って話せるあのときのこと
どんなに時間が経っても変わらない、佐江ちゃんの「根っこ」にあるものとは。48グループを出てわかったこと。今、やっと笑って話せるあのときのこと。最終回に向けて、さらに尽きないお話です。
-
[第49回]宮澤佐江が新「ミラチャイ」連載で振り返る、舞台とともに駆け抜けた2年間ー「出会い」と「別れ」さみしさと楽しさ
「これまでやってきたことの答え合わせが、今、できている」。2016年7月の新連載開始から現在まで、『朝陽の中で微笑んで』、公演中の『ZEROTOPIA』など、佐江ちゃんの約2年を振り返ります。
-
[第48回]宮澤佐江が新「ミラチャイ」連載で振り返る、舞台とともに駆け抜けた2年間【大切なお知らせあり】
2年前の7月、リニューアルして再スタートした「ミラチャイ」連載。『王家の紋章』初演にはじまり、現在公演中の『ZEROTOPIA』まで。舞台とともに駆け抜けた、佐江ちゃんの2年を振り返ります。