韓国の2大中華麺、チャジャンミョンとチャムポン

チャジャンミョンは4000~5000ウォン程度。写真はカラメルソースから麺を引っ張り出したところ。これから麺とソースをぐっちゃぐちゃにかき混ぜる

日本式中華の代表がラーメンとチャーハンなら、韓国のそれはチャジンミョン(ジャージャー麺)とチャムポンだ。

チャジャンミョンは日本でいえばカレーライスのような国民食で、甘くて濃厚な黒っぽいカラメルソースを小麦粉の麺によく混ぜて食べる。大人や子どもが箸を両手に持ち、嬉々としてソースを混ぜている場面は、韓国ドラマや映画でもおなじみだろう。

一方のチャムポンは、日本伝来のチャンポンに唐辛子の粉やオイルをたっぷり加えて真っ赤にしたものだと思えばいい。スープは豚骨ベースで、イカやエビ、アサリなどの海産物、タマネギ、ニンジン、キクラゲなどの具が盛られる。

中華料理店で出前したチャムジャミョン(チャジャンミョンとチャムポンのハーフ&ハーフ)

韓国人は中華屋さんに来ると、チャジャンミョンにするか、チャムポンにするかで大いに悩む。そのため、このふたつを半分ずつ味わえるチャムジャミョンなるメニューを出す店も多い。

この場合、韓国人は濃厚なチャジャンミョン→辛いチャムポンの順に食べると、口が「さっぱり」する。この2品は韓国人がもっともよく出前で食べるものでもある。

ソウルや釜山の繁華街に行くと、ハングルの洪水の中で漢字の看板を掲げているのはたいてい中華料理店。

チャジャンミョンもチャムポンも韓国を代表する大衆的麺料理なので、どこで食べても外れは少ない。

また、ちょっと高級な雰囲気で食べたいなら、仁川(インチョン)駅前から広がるチャイナタウンの中華料理店に行くといいだろう。

鄭銀淑:ソウル在住の紀行作家&取材コーディネーター。味と情が両立している食堂や酒場を求め、韓国全土を歩いている。日本からの旅行者の飲み歩きに同行する「ソウル大衆酒場めぐり」を主宰。著書に『美味しい韓国 ほろ酔い紀行』『釜山の人情食堂』『韓国酒場紀行』『マッコルリの旅』など。株式会社キーワード所属。