生涯の資産のことを考えると、省けないのが不動産です。
マイホーム購入を考えている方は、単なる住まいとしてだけではなく、資産として捉え直してみましょう。
今回は、元銀行員でお金の専門家、菅井敏之さんに教えてもらいます。
菅井さんは、48歳で25年間勤めた銀行を辞めた後、不動産賃貸オーナーとして成功を収めている方。10棟70室のアパート経営で年間6000万円ほどの不動産収入を得ているそうです。
不動産を資産としてお金を増やす方法について、書籍『一生お金に困らない! 新・お金が貯まるのは、どっち!?』からご紹介します。
お金が貯まるのは、「持ち家」派か「賃貸」派かどっち?
結婚後、家を買うか、賃貸にするか。
この時代、家を買うのはリスク。物件価格が下がってしまうかもしれないし、地震や災害に見舞われるかも…。と賃貸派の人は考えます。
賃貸のメリットはいつでも転居できる気軽さがあり、定住しないライフスタイルを好む人には悪くありません。
しかし、菅井さんは断然「持ち家派」です。
悪い物件は負債になります。
逆に良い物件は資産になります。
持ち家は、良い物件を選べば、将来、売ることもできるし、貸すこともできます。
そして、見落とせないのは、「高齢になってからも部屋を借りることができるかどうか」ということ。
高齢者が賃貸を借りるのは、簡単ではありません。入居審査では健康状態や年齢を理由にふるい落とされがちです。
また現役時代には難なく払えた家賃も、引退すれば重い負担となります。家賃の安いところに引っ越したくても、高齢になると、なかなかいいところが見つかりません。
菅井さんの物件を選ぶ基準は、とことん良い立地にこだわること。
私は「歴史ある地域は家賃の相場が下がらない」と確信しています。
逆に新しく作られた住宅地は危ない。
歴史があって、さまざまな年代の人が住んでいる街を選びたい。古い人も新しい人もいて、ごちゃごちゃしている。そんな町が理想です。
住宅ローンは「ボーナス払い」か「一律平均払い」か、得するのはどっち?
「住宅ローンを組むときに、ボーナス払いは“絶対に”いけません」と菅井さん。
ボーナスをもらえる保証がない今の時代。
もし、ローンの支払いを3回延滞してしまったら、アウトです。
せっかく購入した家を差し押さえられ、それどころか、あなたの預金まで差し押さえられてしまいます。
ようするに、支払い延滞に陥ってしまうリスクをできるだけ、小さくしておくことが大切です。
住宅ローンの支払い額は、年収の20%以内に抑えることをおすすめします。
基本的には銀行は全てのローン合わせて、返済比率の35%(年収の35%)まで貸してくれますが、「お金を借りることができる」と「お金を返すことができる」は、まったく違うのです。