「ここで、自分が望む働き方は可能?」事前に検討・リサーチしておく

続けて 岡本さんは、将来的に子どもがほしいと思っている女性は、普段から次の2点について考えておくと良い、とアドバイスします。

・自分は何のために働くのか

例)収入のため、自分の成長のため、誰かの役に立つため…など

・働く上で何を重視するのか

例)働きやすい環境(育休や時短勤務が長くとれる、有休がとりやすいなど)、働きがいのある仕事内容…など

岡本「その上で、自分が実現したい働き方がその環境で可能か、制度や風土の面も含めて改めて考えておくことをおすすめします。明らかに難しい場合は、転職することも視野に入れましょう。

もし同じ職場に先輩ママがいれば、普段どんな生活をしているか、産前産後で仕事はどう変わったか、仕事と家庭のバランスなどのリアルな話を聞けると、より具体的なイメージがわいて、心の準備や対策がしやすくなります」

もしマミートラックに陥ってしまったら?

とはいえ、「私は働きやすさ重視だからマミートラックでもいいや」と思っていても、いざそうなったら思った以上につらかった、ということもあるかもしれません。

岡本さん自身もそうだったように、働きやすいと思って選んだ職場が、ママになったら自分の望む働き方には合わなくなったという人もいるでしょう。

思いがけずマミートラックにはまってしまった場合は、どうやって抜け出せばいいでしょうか?

岡本「同じマミートラックでも、つらさを感じるポイントは人それぞれ。まずは、今の状況の何につらさを感じているかを明確にしてください。

そこがはっきりしたら、次はそのポイントがどうなれば自分は前向きになれるのか、自分は現状をどうしたいのかを考えてみてください」

たとえば、次のような解決策が考えられるそうです。

マミートラック解決の具体例

  • 「成長を感じにくいこと」「裁量権がないこと」「肩身の狭さ」がつらい
    「自分の裁量で難しいことにもチャレンジしたい」「誰にも謝らないで済む環境がほしい」
    →フリーランスに(岡本さんの場合)

  • 「やりたい仕事ではないこと」がつらい
    「前の部署や仕事内容に戻りたい」
    →上司に相談し、以前の仕事に戻してもらえないか交渉する

  • 「同僚より早く帰ること」「時短勤務で収入が減ったこと」がつらい
    「周囲と同じ時間働きたい」「以前と同じくらいの収入がほしい」
    →夫や家族に相談する、家事育児の外部サービスを利用するなどして時短勤務を解除し、残業もできる生活に

  • 「営業なのに売上目標を持たされなくなってしまったこと」がつらい
    「シビアな環境で目標を持ってバリバリ働きたい」
    →転職し、ママでも売上目標がしっかりある営業職に

働き方や職場の選択肢は広がっている

たとえマミートラックにはまってしまっても、岡本さんが示してくれた上記の例のように一歩引いて冷静に考えてみると、解決の糸口がつかめることもあるのですね。

自分一人で考えの整理や判断がつかない場合は、キャリアカウンセラーに相談するという手段もあります。

岡本「マミートラックに限らず、困難にぶつかったときには、仕事を辞めてしまう前に、なぜ自分は社会に出て働きたいと思ったのかを改めて考えてみて。それと困難さとを天秤にかけて、困難さや苦しさが上回る場合は、無理をして仕事を続けることはハッピーではないでしょう。

でもそうでない場合は、せっかく積み上げてきたキャリアを捨ててしまわないで、なんとか持続可能な働き方を模索してほしいんです」

岡本さんによると、最近は日本でも、徐々に働き方改革が進み、フリーランスや在宅ワークなど多様な働き方が可能になってきているだけでなく、子育て中の女性のパワーに注目している企業も増えているとのこと。

働くママの選択肢は広がっているのです。

ひそかにマミートラックに悩みながらも、「子育て中だからしかたない」と諦めムードになっているママは、ぜひ視野を広げて、ほかの選択肢にも目を向けてみましょう。

取材協力:岡本真梨子

キャリアカウンセラー、応用人間科学修士。自身の長時間労働や、産後の時短勤務・マミートラックの経験から、女性が柔軟に能力発揮できる働き方の必要性を感じ、女性のキャリア支援の道へ。カウンセラー/講師として活動しながら、第2子出産以降は在宅勤務や子ども同伴出勤なども推進。株式会社エスキャリア共同代表。

 

京都在住ライター。私大文学部を卒業し、会社勤めを経てフリーライターに。東京都内で活動した後に、京都市左京区に引っ越し出産。その後は京都で子育てをしながらライター業を続ける。インタビュー・取材記事をはじめ、カルチャー、ヘルスケア、生活などのジャンルで幅広く執筆。