郵便受けから新聞を取ってくる、風呂掃除、ゴミ捨て等のお手伝いを子どもにさせるとき、“お駄賃を与えること”についてどう思いますか?
人間誰しも「○○したらお金がもらえる。それを貯めて好きなものを買う」ことは強い動機付けになりますね。
今回は、この是非について『1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話しします。
“お手伝いしたらお駄賃”には賛否ある
賛成意見
- 労働対価としてお金を渡し、幼いうちから「お金を手にするのは大変なことである」ことを体験させたい。
- 金銭感覚を身に付けさせたい。
- お駄賃を与えることによりお手伝いの習慣がつけば、それはそれでOK。
- 金額を100円単位ではなく、1円単位ならばよい。
- 玩具の片付け以外のこと。例えば子どもが本来やらなくてもよい“布団敷き”“皿洗い”ならば当然、お金を渡すべき
反対意見
- 家事労働には費用は発生しない。ママも料理をしたからといって「ご褒美だよ」と給料をもらっていない。パパも買い物を手伝ったからといってお金をもらっていない。子どもだけにそれを与えるのはおかしい。
- お金をもらえないと手伝いをしなくなってしまう恐れがある。
- 家事は家族のためにやるもの。無料奉仕は当然である。
“餌で釣るしつけ”の是非
品物を与える
お駄賃としてお金を渡さなくても、こんな風に品物を与えるやり方もあります。
- 「お手伝いしたらお菓子を買ってあげる」
また、手伝い以外でも、わが子になんとか頑張ってほしいとき、「○○したら○○してあげる」の条件付けをしてしまいがちですよね。
例えば…
- 「今度のテストで100点とったら、東京ディズニーランドに連れて行ってあげる」
- 「バスの中で静かにしていたら、降りてからコンビニでジュースを買ってあげる」等。
けれども、子どもに何かさせるとき、日頃からお菓子やジュースなどご褒美を与えていると、「これがなければやらない」という習慣がついてしまいます。
更に、それを手にすることだけを目的に行動するなんてことも!
言葉は悪いですが“水族館のアシカショー”と似ていますね。
そして、中にはこんなことを言い出す子もいます。
「100円くれないなら、お手伝いはしないよ」
「テストで頑張ったら、今度は何をくれるの?」
要求が“玩具→自転車→携帯”とどんどんエスカレートしたり、お手伝いしたら「今度は100円でなくて、もっと金額を上げてほしい」となるケースもあります。
褒めたり、拍手などのご褒美は◎
では「頑張ったね」等、賞賛の言葉や拍手・抱擁はどうでしょうか。
例えば…
- 練習した字のなかで、綺麗な字に花丸をつけてあげる。
- 運動会で一等賞になったので拍手したり、抱き締めたり、頭を撫でる。
- 頑張ったらハンコやシールを貼ってあげる。
先の品物や拍手・抱擁とは大きな違いがあります。
拍手や抱擁等の褒め言葉については、子どもは最初のうちは「親に褒められたいから」という動機でお手伝いをしたり片付けたりします。
そして、次第にそれが習慣化していき、褒められなくてもやるようになります。ご褒美が大き過ぎないからです。(過去記事「今が楽でも将来苦痛に… “餌で釣るしつけ”のNGライン」)