「質の高い先生や学生が通う中学校に通うことができれば…。」

2020年度に大学受験の制度が変わることもあってか、いわゆる「偏差値の高い学校」にお子さんを通わせたいと考える人は少なくありません。

確かに偏差値の高い学校に入ることができれば、先生や同級生などから、様々な影響を受ける機会が増える可能性があります。何がなんでも受験で合格すべき、という親のお気持ちもよくわかります。

子どものことを思う気持ちはもちろん大切ですが、子どもの人生のピークが受験だけではないということも、しっかりと頭に入れておく必要があります。

難関中学合格率60%超の人気塾・ジーニアスの講師である松本亘正さんは、自著『合格する親子のすごい勉強』のなかで、あるエピソードを紹介しています。

『あとから伸びる力』とは?

ある年の中学受験のことでした。いわゆる御三家中学と言われる、筑波大学付属駒場中学校、開成中学校、麻布中学校に合格した生徒が4人いました。また、これら本命校には落ちてしまったものの、無事、第二志望の学校に受かった生徒が3人いました。

名門と言われる御三家中学校に入ることができたのですから、そのまま、スクスクと成長するのではと思いきや…、実際には、第二志望に行った生徒たちが大きく成長したのです。

6年後の大学受験の時です。本命校に受からなかった3人は見事、現役で東大に合格。大学受験の模試でも中学受験で成功した学生よりも、全員成績が上位になったのです。なぜ、受験に失敗してしまった3人は、この時期に逆転することができたのでしょう。

この理由について、松本さんが分析しています。

彼らに共通していたのは、コツコツ努力を継続できる子であること。10歳の時点では見えなかった『あとから伸びる力』を持っていました

出典(合格する親子のすごい勉強)

この『あとから伸びる力』について、親は見過ごしてはいけません。

まだ小さな小学校の頃は、生まれた月や精神年齢によって、できること・できないことの差がつきがち。親御さんにとっても、もどかくしく思うシーンがあるでしょう。

しかし、中学・高校となると、そのような差が埋まるようになり、本来の力で勝負することができます。

子どもには、そんな時にしっかり伸びてほしいですよね。