理想の家庭に近づくために自分にできることを
家庭内別居同然の状況や今後のことについて、どうすれば良いでしょうか。
宗像「緊急事態宣言解除後も、家庭内別居同然の状況が続いていて、世界で一番くつろげるはずの家庭がそうなっていないことに、悩んでおられるということですが、今後どのような家庭の状況を望んでいますか?
離婚という方法を望まないのであれば、まずは、理想とする家庭に近づけるために、自分にできることを行動に移してみましょう。
夫がどんな行動をするかはさておき、自分と子どもにとって良い環境、過ごしやすい日常のためにできることはあります。そうすることで、夫の気持ちや態度も自然とやわらいでくる可能性もあります。
家庭内別居状態となると、相手を否定的に見る傾向がどうしても出てきてしまいます。そんなときは、自分の心の高さはどのくらいなのか、一度自分と向き合ってみることもできますね。
子どもたちは言葉になっていなくても、家の中の空気や雰囲気を感じ取ることはできます。子どもは親を通じて社会や世界を学んでいきます。
自分の言動や、夫との関係を通じて、お子さんにどんな大人を見せたいですか? どんな夫婦や家族を感じてもらいたいでしょうか? 親は子どもにとって、大人代表、母親代表、父親代表、世界代表です」
関係を修復したいなら相手の良さを思い出して
やはり、願うのは夫との関係修復。それを目指すなら、妻自身はどんなことができるでしょうか。
宗像「人は、自分に余裕があると、優しい言葉をかけるなど、思いやりのある行動を選ぶことができますよね。しかし、そうでないときは、自分のことが手いっぱいで、なかなか相手のことまで気づかいをすることがむずかしくなります。
家庭内別居をやめて関係を修復したいと思うなら、一時垣間見えた夫の一面がすべてと思うのではなく、相手との関係の中であった、嬉しかったこと、楽しかったこと、感謝したいと思ったことなどを振り返ってみると、忘れてしまっていた、もしくは気づかなかった夫の良さを改めて感じることができると思います。
相手の大切さについて気付いたら、自然と接し方も変わってくるものです。まずは、自分のほうから相手に譲歩していくという気持ちを持てると素敵ですね」
コロナにより、夫の新たな一面が見えて、この相談者と同じように夫婦仲に不安や不満を抱えている場合には、参考になりそうです。
コロナをきっかけにより良い夫婦に成長して、子どもにも良い影響を与えたいものですね。
【取材協力】宗像美由(むなかた・みゆ)さん
一般社団法人Turn to Smile(たんとすまいる)代表理事 心理カウンセラー
「子どもたちの笑顔を安心して見続けるための未来をめざして」大切な人とのより良い関係を構築するための“DV加害更生プログラム”、“被害回復プログラム”、“面会交流支援”の3つを全国唯一の活動を行っている。