筆者の場合

卵と牛乳に食物アレルギーがあった息子は、食べられるものが少なかっただけでなく、自閉症の子がもつ感覚過敏とこだわりにより、「納豆、かぼちゃ、さつまいも、うどん、シュウマイしか僕は食べません」という食生活が続いていました。

でも、当時の私は、卵と牛乳を除去したさまざまな献立をつくり、「これでもか、これでもか」と食べさせようと必死でした。

息子は食べたくないものが並ぶ食事の時間が、次第に苦痛になってきたようです。

本来、人間にとって楽しいはずの食事の時間を“偏食を直す訓練の時間・しつけの時間”にしてしまったのです。まず「楽しく食事を」を優先すべきだったと、今になって反省しています。

大人になっても「あれも嫌い、これも食べられない」と好き嫌いが多い人はいません。

もちろん、偏食を厳しく指導された結果、なんでも食べられるようになる子もいます。その一方、嫌いなものを無理矢理口に押し込まれてトラウマになり、絶対に食べられなくなる子もいるのも事実です。

後になってわかること

悲しいかな、こういうことは後になってわかること。もし、過去に時間を戻せるのだったら幼児期に戻り「もっと食事時間を楽しんで」と息子に言ってやりたいです。

そして過去の自分の肩をポンと叩いて「そんなに真面目に一生懸命にならなくたっていいですよ。もっと今を楽しんで」と声をかけてやりたいです。偏食指導はほどほどに…。