離婚の際にこれだけは!養育費は「子どもの権利」

離婚を決断したときほど冷静に。夫婦の終止符は、子どもにとっての転機でもあります。子どもの養育費はしっかり取り決めをするべきです。養育費は子どもが健やかに育つために必要な費用です。

だからこそ、通常であれば給料の4分の1までしかできない給料差し押さえでも、養育費について万が一の不払いの際は「2分の1まで差し押さえ」ができるのです。

それほど、子どもにとって必要なお金であり、元パートナーと離婚したとしても子の親である事実であることから、元パートナーにも養育義務はついて回ります。

筆者もバツイチのシングルマザー経験がありますが、再婚しています。

再婚して、新たな夫と自分の連れ子の養子縁組を結んでも、新たな夫の急なリストラなど、なんらかの原因で「子どもの養育環境が整っていない」と子の親権者が判断した場合は、子どもが成人する、公正証書で取り決めた際は大学卒業までの養育費の支払義務は、元パートナーにも発生します。

離婚するときには公正証書を作成しよう

離婚するとなると、財産分与や夫婦での離婚の協議などで忙しくなる日々になります。「新しい生活をスタートさせるために余裕がない」といった事態になりがちです。

しかし、子どものことを考えて忘れないでほしいのが、“公正証書で養育費の取り決め”です。

夫婦間で話し合いのもと合意に至ったものを書面に残すことで、そのあとのむし返しが少なくなります。

また、公正証書は公証役場に証拠として残りますし、養育費の支払い義務者が「一身上の都合で養育費を払えない」といった場合は、再度ふたりの取り決めが必要なのです。

ルーズな性格をしている元パートナーの勝手で、養育費を不払いにされたり、都合のいいように養育費を扱われては、実際に子どもの命を預かっている身はたまったものではありません。

だからこそ、離婚時にしっかりといざとなったときに法的な措置を取れるようにしておきましょう。

2020年4月1日より、改正民事執行法が施行され、公正証書を用いての養育費の回収がしやすくなりました。これまでは相手の勤務先や預金口座が判明していないと養育費の回収が難しかったのですが、第三者の情報開示がしやすくなったのです。

公正証書は子連れ離婚のお守り!養育費が不払いのときの強い味方

公正証書で、公証人のもと養育費の取り決めをすることで、それらが不履行となった際には、「強制執行認諾文言(約款付)公正証書」であれば裁判をせずに強制執行(給料や預金の差し押さえ)ができるのです。

公正証書を作成するときは公証役場にふたりで出向き、公証人がふたりで取り決めたことを文章にしてくれます。

公正証書で決めたことについては、二人の合意があっての作成なので、減額や不払いなどを元パートナーの判断でできません。もし何らかの事情があり、養育費の支払いが困難な際は、ふたりの協議を持って取り決めをし直すということになります。

元パートナーによって、一方的に不払いや減額をされた場合は、元パートナーの給料や預金を差し押さえする権利があります。もっとも、「公正証書での取り決め」は法的な効力があることから、元パートナーも「払わないと」という気分にさせやすくするメリットもあります。

2020年の4月1日からの法改正により、未払いの養育費の回収がしやすくなったことで、完全報酬型の弁護士さんも増えてきています。

だからこそ、「公正証書を作成したけど預金口座が分からない」と、これまで諦めていた人にもチャンスがあります。公正証書は元パートナーとふたりで取り決めたことですから、この機会を無駄にせずとも相談だけしてほしいです。