『ムーラン』を現代に伝え直す
実写化にあたり、ムーシューのようなアニメーションらしいサイドキャラクターが省略されるのはありがちですが、ムーランの相手となるシャン隊長も出てこないのは意外に思えます。
しかし、本編を観てみると、そこには余計な恋愛要素を除く意図が見えてくるのです。
アニメーション版の『ムーラン』を今改めて見返すと、20年以上前の作品ということもあり、家族や女性への価値観が現代に追いつかなくなっている点が否めません。
『ムーラン』の物語の根幹を引き継ぎながら、様々な要素を整理することで、価値観をアップデートさせ、ムーランという人物を深く描いています。
歌わないけれど「リフレクション」は健在
『ムーラン』の主題歌である名曲「リフレクション」。
アニメーション版では、劇中でムーランが歌い上げるシーンが印象的です。
しかし、実写版では誰も歌いません。
登場人物が歌うことはありませんが、アニメーション版の楽曲は「リフレクション」を含めて登場します。
楽曲が出てくるシーンも丁寧に選ばれており、しっかり印象的なシーンに仕上がっています。
じっくり楽しみたい実写版
歌わなかったり魔女が出てきたり、正直観賞前は不安だったのですが、観てみると現代に『ムーラン』を改めて届ける意思を感じる作品でした。
アクションなど大きなスクリーンで観たかった気持ちは確かにありますが、新たな生活様式の中で、家族で気軽に楽しめる方式での配信になりました。
ディズニーらしい、老若男女を問わずに楽しめる作品。
何度も鑑賞したり、アニメーション版と見比べたり、ディズニープラスらしい映画との向き合い方を探ってみるのはいかがでしょうか。
『ムーラン』
2020年9月4日(金)16:00よりディズニープラス会員、プレミアアクセスで独占配信(追加支払いが必要です)