コロナウィルスの影響で、私たちの生活にも色々と変化が起きています。
なかでも、乳幼児のママにとっては、病院を受診するタイミングを悩んでしまうのではないでしょうか。ちょっとの風邪の症状だと、わざわざ病院に行ってもしもコロナに感染してしまったら…という不安から受診を控えてしまうママもいるようです。
コロナウィルスに関しても、どういう症状の場合が受診した方がよいかという目安がわからず、心配になっている人もいます。
今回は、クローバーこどもクリニックの眞々田容子先生に、子どもの症状で不安に感じていることをどうすればよいのかお聞きしました。夏休み期間となり、子どもと過ごす時間が増えます。わざわざ病院に行くのはためらうような症状については、どうすればよいのでしょうか。
どういう時、病院を受診すればよいの?
――今、コロナ禍で病院に行くのを控えているママもいます。受診した方がよいかという目安がわからず、心配になっている人もいます。風邪やお腹が痛いときは受診した方が良いのでしょうか? 例えば、熱は何度くらいから、下痢の時の排便の回数の目安などはありますか?
まずは子どもの全身の状態を見て判断してください。ちゃんと眠れているか、飲み物を飲めているか、機嫌がどうなのか。
高熱でも、動けていて、自分で飲み物を飲んで水分補給ができるのなら、夜中の救急に行く必要はないです。次の日でもいいです。
反対に、微熱でもぐったりしている、意識がおかしい場合には、早めに受診してください。
――体温が目安ではないのですね。
そうですね。下痢に関しても、子どもは自分からなかなかお腹が痛いというのを伝えるのが難しいですが、子どもの機嫌が悪くなったり、ぐったりしたりしていることがあれば、気にかけてください。
「痛い」と言いながらも、遊んだり、食べられたり、眠れるなら大丈夫です。一度や二度吐いても、元気なら様子を見るので大丈夫です。反対に、繰り返し吐いたり、おしっこの量が少なかったりする場合は、受診するようにしてください。
――夏は、ウィルス性の胃腸炎などが流行します。予防策はどうすればよいのでしょうか。
今年は、コロナ対策のおかげで、手洗いやマスクが以前よりもしっかりできているせいか、去年流行った夏風邪やヘルパンギーナなども、大きな流行はないようです。
――乳児期は受けなければならない予防接種が数多くあります。しかし、病院へ行くのが不安という声も聴きます。予防接種はコロナが収まるのを待った方がいいのでしょうか?
病院によっては、予防接種と、感染症などの症状がある患者との診察を隔離している病院もあります。
もし心配だったら、対策をしているかどうかを、かかりつけ医に聞いてみてください。今は、予防接種と一般外来と分けてあったり、ちゃんと隔離対策がとれていると思います。
予防接種は、その時期だからこそ意味があるものもあるので、打とうと思っている方は、予定通り接種した方が良いです。
月齢によって決められたワクチンは、そのタイミングでの接種に効果があり、外れてしまうと意味が薄くなる。自己判断ではなく、相談できる、かかりつけ医があるといいですね。
コロナウィルスかもしれない…、そんな時はどのようにすればよいの?
――コロナウィルスに対して、不安を抱くママたちが多いと思います。もしも咳や喉が痛いなどの症状があり、コロナウィルスっぽかったらどうすればよいのでしょうか。
基本的にコロナウィルスは、子どもたちがかかったりしても、無症状から軽症といわれています。コロナなのか、別のウィルスなのかは、PCR検査をしないとわからないんです。
症状があるなら、どのウィルスでも対策は同じです。
まずは自宅療養。通常に回復してきたら、集団生活を再開するのが基本。ウィルスは、どこでもいます。くしゃみをすると、つばなど飛沫が1メートル飛ぶと言われています。それが悪さをするかどうかは、その人の免疫状態次第。
基本的に元気だったら、多少 ウィルスは体に入るかもしれないけれど、免疫細胞がやっつけてくれる。そうすれば、症状が発症しない。
疲れが溜まっている、ストレスがかかっている状態だと、免疫力が弱っています。ウィルスが入ってきた時に体に入ってしまう。そして、病気が発病するんです。
――ではコロナウィルスを発症しないためには、どうすればよいのですか。
基本的にはバランスの良い食事、程度な運動、ストレスを溜めない、十分な睡眠。大人も子供も一緒です。
――マスクをしたままの生活ですが、子どもたちの熱中症対策はどうすればよいですか? 乳幼児はマスクをするのも嫌がります。運動をする時は、マスクは取っていいのでしょうか?
マスクをした生活は、熱中症のリスクが上がります。最低でも1メートル。
相手との距離が取れる時は、マスクは外しても良いです。またマスクをしたままだと、水分をこまめに取れなくなる。そこをちょっと気にかけながら、塩分や糖分の入ったイオン水を取るように心がけてください。