展覧会メインの大型絵画には映画ファンもワクワク!
さて、展覧会のメインである大型絵画は、影響を受けた二つの土地——カナダの森と湖を第1章、トリニダード・トバゴの海辺や町を第2章で紹介。
1章には、『13日の金曜日』の最後に出てくる、湖に小舟が浮かび、人物が横たわるシーンにインスピレーションを受けたという《のまれる》《エコー湖》といった絵画がある。
《エコー湖》にはムンクの《叫び》のイメージも含まれている。ちなみに3章に登場する『カビリアの夜』(監督:フェデリコ・フェリーニ)も湖が象徴的だ。
また、第2章には、小津安二郎監督『東京物語』の静けさを念頭に置いた《ラペイルーズの壁》という絵画がある。熱海の防波堤なのかもしれないが、イメージはかなり飛躍している。
ドイグが描きたくなるシーンとは、動の中の「静」を感じたときなのだろうか。構図や色彩など、2、3メートル級のペインティングにも映画好きが垣間見えるし、これから映画の見方も変わりそうな、映画ファンもワクワク、ニマニマとしてしまう展覧会だ。
【開催情報】
『ピーター・ドイグ展』
10月11日(日)まで東京国立近代美術館にて開催
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