『チェリまほ』『今際の国』の人気に「言葉に垣根はないんだなと」

町田啓太

話題作への出演が相次いだ2020年は、まさに“飛躍の年”だったと言えるだろう。「変化がすごくありました」と振り返る。

「いろんな場所で作品に対する楽しいというお声をいただきました。直接言っていただくこともあれば、SNSでコメントをいただいたり、知人を通してまで伝えてくださったり。誰かを通してでも伝えたいと思ってくれる気持ちがすごく嬉しかったですね。

たくさんの方に見ていただけていることが伝わってきましたし、本当に楽しんでもらえていると実感が湧いて、とても勇気をもらいました」

アジアを中心に人気となった『チェリまほ』、海外で高い評価を受けた『今際の国のアリス』などへの出演は、今後の役者としての活動に対する“希望”にも繋がった。

「言語の違いがあっても楽しんでもらえることは素晴らしいと思いました。海外のみなさんが見て楽しんでいることを、日本のみなさんも一緒に喜んでくれているのがすごく嬉しくて。言葉に垣根はないんだなと強く感じたんです。また機会があれば垣根のない作品を一緒につくりたいと希望を持てました」

町田啓太

2021年には役者として活動を開始してから11年目を迎える。これまで着実に俳優としての実力を積み重ねてきた町田。自身が役者として人に負けないと思う点を問うと「お芝居に勝ち負けはないと思うんです」とにこやかに答えた。

「それぞれの役者さんが自身の感性を最大限に活かして作品に携わっていると思います。僕は人のお芝居を見ることがもともととても好きなので、仕事だけではなく仕事以外でも見させてもらっていて。いろんな方たちのお芝居を見るたびに素晴らしさと、たくさんの自分にないものを感じています。

だから、一概に勝ち負けじゃないなって思うんです。僕は僕なりに任せていただけた作品と役に向き合って、そのときの思いや感情を役にどれだけ投影できるかを常に意識して演じるようにしています」

町田啓太

誰かと比較せず、己と役に向き合う。謙虚に学び続ける姿勢もこの価値観があるからこそ。町田の芝居に対する貪欲な探究心はとどまることを知らない。

最後に聞いた「客として『三ツ星洋酒堂』に行ったら、雨宮に何を相談したいですか?」という質問に対しても、その探究心を覗かせた。

「相談したいというより、雨宮がどういう人間なのかを聞きまくります。僕が演じる雨宮と何が合っていて何が違いますか?と聞きたい(笑)。雨宮という人間を深めたいですね」

どこまでも役に、芝居に向き合い続ける。連ドラ初主演、バーテンダー初挑戦、藤原・森崎との初共演……“初”に尽くされた『三ツ星洋酒堂』が町田の芝居への探究心を加速させていくはずだ。

町田啓太

撮影/鬼澤礼門

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