■便利さは活かし、ムダづかいは減らそう

nanaco / hirotomo 拡大画像表示

電子マネーについては利用金額が比較的小さく、クレジットカードを利用した買い物より気楽に使われがちです。クレジットカードであれば、現実のお金の重みがなくても「使いすぎに注意しよう」という意識が働きますが、これはクレジットカードの利用金額が高いことと関係しています。「1万円も使うんだからムダづかいしないようにしなくちゃ」という意識が働くからです。

しかし、一回あたり数百円から数千円の決済が多い電子マネーはこうした意識が薄くなり、ムダづかいしがちです。毎日300円のムダづかいと思っていると、1カ月では9000円の買い物です。これは1年で約10万円のムダづかいに相当し、10年で100万円、30年で300万円にもなる大きさなのです。まさにちりも積もれば山となる。できればクレジットカードと同じくらいの慎重さが欲しいところです。

電子マネーの便利さは否定できませんし、便利さを無理に捨て去る必要はありません(1%弱であってもポイントが貯まることが多いので、割安な買い物にもつながります)。便利さを活かしつつ、ムダづかいをしないよう心がけることが大切です。

私は、オートチャージはやめて、毎週定期的に定額の入金をすることをおすすめしています。一週間に電子マネーで使う買い物の予算を決め、セルフチャージすることにより無制限の利用に歯止めをかけよう、というわけです。
また、チャージをするときに「今5000円使ったんだ」という重みも感じることができます。これも節約に効果が期待できます。

「電子マネーは便利だけど、ついつい使い過ぎちゃう」という人はぜひ試してみてください。きっと、利用額を抑えることができると思いますよ。

やまさき・しゅんすけ 「人生の幸せの問題は、たいていはお金の問題である」という考えのもと、お金と幸せについて考えるファイナンシャル・プランナー(FP)。公的年金制度・退職金制度、投資教育が専門。Twitterでは毎日一言「お金の知恵」をツイートしてます。副業はオタクで、まちあるき、アニメとコミック、ゲーム好き。所属学会は東京スリバチ学会と日本年金学会