ロキがロキを掘り下げ、ロキと向き合うドラマ

『ロキ』 ©2021 Marvel

製作総指揮に、ロキ役を演じるトム・ヒドルストン本人が名を連ねているだけあり、キャラクターの掘り下げ方がとにかく凄い。

本作のロキは『アベンジャーズ』で地球征服を企み、散々悪さをした後の設定なので、スタートとしては悪役なんですよね。

連れて行かれた巨大組織TVAにて、こちら側で悪さをしている奴の正体もロキなので、お前の責任だから協力しろ的なことを言われるんですが…

この展開によって、ロキの魅力である二面性(というか多面性)も保持しつつ、片方のロキは悪役のまま描いていけるんです。

ロキ好きな方なら共感を得られると思うんですが、完全に改心して良い人になったロキなんて、実は見たくないんですよ。裏切ってナンボみたいなとこあるじゃないですか。

悪役を主人公にした作品の場合どうしても、実はこういうルーツがあって、悪事を働いているのも仕方なくなんですよー的な言い訳?に聞こえてしまい、個人的にちょっと苦手なんですが…

TVA側の悪役ロキの目的と正体を謎解くミステリー要素まで追加しつつ、かといってロキの魅力も損なわず、上手い展開だなーと、舌を巻きました!

レトロ最先端な世界観

『ロキ』 ©2021 Marvel

ロキが連れて行かれた組織TVAの、レトロでオシャレな内装も素敵。

テイストとしては1960年代あたりなんでしょうか、レトロな造りの内装やファブリックなど、素敵なインテリアにもときめいてしまいます。

歴史の深さを感じさせる重厚な背景と、レトロなインテリアを混ぜつつ、それでも最先端な雰囲気を感じさせるのが、とにかく凄い。

制圧部隊のコスチュームや、時空を簡単に超えられるタイムドアなど、レトロの中にどう考えても近未来な要素を、上手く入れているからなんでしょうね。

膨大な情報を管理し、過去も未来も簡単に行き来できる技術を持つ巨大組織なのに、資料が紙ベースという、ギャップも良い。

最先端でありながらオシャレトロな世界観にも、ぜひ注目して見て下さい!

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