白石組は、自分の“200%以上”を出さないとできない

撮影:稲澤朝博

――白石組の雰囲気はいかがでしたか?

完全に出来上がっていて、「お前らが何をしても、どうとでも対応できるよ」っていう圧倒的な安定感がありました。朗らかな安心感じゃなくて熱くて怖い安心感なので、自分の100%じゃなくて200%以上を出さないと、そもそものラインに達することはできないんですけど。

本来はすべての作品がそうあるべきなんですけど、白石組ではそれをより強く感じるというか。自分が持ってるものだけじゃダメな気がしました。

――白石監督からの演出や言葉で印象的だったことは?

撮影に入る前に脚本やチンタの役について何度かやりとりしましたが、詳しい内容は覚えていないんです。あとは衣装合わせをして、監督、プロデューサーと一緒に“ヤクザレクチャー”を受ける勉強会がありました。

裏社会や東映の歴史について学んだり、組長の本を見せてもらったり、シャブのレクチャーもありました。

『孤狼の血 LEVEL2』©2021「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会

――この映画で描かれている世界は、若い世代の人たちの目にどのように映ると思いますか?

裏社会について描いたものとしては、『闇金ウシジマくん』とか漫画で触れている人が多いかもしれないですよね。

例えば北野武さんの『HANA−BI』は僕が生まれた年に製作された映画なのでリアルタイムで触れたものではないですし、最近の映画『ヤクザと家族 The Family』は暴対法によって変化していくヤクザの世界についての作品なので、『孤狼の血』とは描きたいことが全然違う。

だからこそ僕も『孤狼の血』に新鮮な面白さを感じましたし、普段映画をあまり観ない人にとっては新しいものとして受け止められるような気がします。

――今年は映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』『燃えよ剣』が公開され、舞台『大パルコ人④マジロックオペラ「愛が世界を救います」(ただし屁が出ます)』に出演。連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』も始まりますね。

コロナの影響で公開の時期がずれたりもして、今年の出演作が増えました。

そういえばInstagramのフォロワー数もかなり増えたんです。Netflixの『今際の国のアリス』を海外でもたくさんの方が観てくださっていて、外国人の方が2/3くらい。ブラジル、タイ、フィリピンの方が多くて、調べないとDMの言葉が分からなかったりするんです。

海外の方にも『孤狼の血 LEVEL2』を観ていただける機会があったらいいなと思っています。

映画『孤狼の血 LEVEL2』は8月20日全国ロードショー。

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ほそや・みか  情報誌の編集者を経て映画ライターに。「FRaU」「In Red」「marisol」などの女性誌を中心に、ハリウッドからアジア、日本まで幅広く映画紹介や俳優、監督のインタビューなどを担当している。好きなジャンルはラブコメディと青春映画。