イラスト:上田 耀子

コロナ禍で急増!? おじさん好き女子の本音とは?

1年半以上もコロナ禍が続くと、外出の機会も少なくなりました。でも求めあう男と女は、オンライン婚活など新しいスタイルも浸透し、従来の出会いの形など新旧織り交ぜながら出会いを繰り返しています。

一方で、女性が20代の頃は、若さという武器を持っていますが、その反面経験が少ないため自信がないものです。そのため年上の男性から認められることで、「一人前の女性」という自信が生じることもあり、「おじさん好き女子」はどの時代にもコンスタントに存在していました。

ところが近年はファザコンが理由で年上男性に憧れるという従来型だけでなく、年齢差を楽々と乗り越えた“自由人”的な感覚で、10歳以上年上の男性と堂々と交際している女子も目立ちます。

この場合、恋愛対象となるのは、加齢臭のあるオヤジではなく、年齢に相応しい大人の男性です。熟女という言葉を男性に当てはめて「熟男」という名称を使ってもいいかもしれません。

ではなぜ熟年男性と交際する女性が増えたのでしょう。

おじさん好き女子の証言から、今どきの女性たちの本音が見え隠れします。

1:わがままな年下男性に振り回され、ハイスぺ男性の上から目線に疲れた女性の本音

「2歳年下のイケメン男性に振り回された挙句に、二股をかけられてしまいました」

そう語るのは、都内のサロンに勤務する美容師の美麻さん(仮名・26歳)。

1年前に分かれた年下のイケメン同業者は、薄給のためもっぱら美麻さんのアパートで彼女の手作りの料理をせがんだそうです。

「最初はなんでも美味しいと喜んでくれたのですが、だんだん『味が薄い』とか『チーズハンバーグとミネストローネを作って』と手の込んだメニューをせがんでくるので、面倒になってきました。しかも食費は私持ちです」。

年下男性から甘えられても、彼のことが好きだからと容認していた美麻さんでしたが、彼が2つ年下の別のサロンで働く女子と二股をかけていたことがわかると、キレてしまったそうです。

「彼女には飲食店でご馳走していたんです。私の手料理をいっぱい要求して、たくさん食べていたくせに。酷い。別れました」

傷心の美麻さん。次なる出会いをネットで見つけます。それは港区のおしゃれなレストランでの合コン。参加者は男女5人ずつで、男性は上場企業勤務や公務員など、ハイスぺ男性がずらり。

「でも男性たちの上から目線がとても不愉快でした。他の女性達も『ハイスぺ男性をゲットする!』という野心満々で、ついていけませんでした」

自分に相応しい男性はどこにいるのだろう。コロナ禍で出会いが少なくなったこともあり、美麻さんは焦ります。そんな時に高校時代の友人が、地元の下町の居酒屋で飲もうと誘ってくれたのです。

「安くて美味しくて、店の人たちも優しくて親しみやすかった。常連さんらがやってくると話しかけてくれ、全部ご馳走してくれたのも、嬉しかったです。それからは疲れるたびに一人で遊びに行って、おじさんたちにご馳走されるようになって、そのうちの一人と付き合っています」

相手は15歳年上の41歳のサラリーマン。美容に関して博学だったので、美麻さんと話が盛り上がったそうです。

「彼はこれまで地方に単身赴任が多く、なんとなく結婚を逃したといっていました。仕事の愚痴も聞いてくれるし、ご馳走してくれるし、とても楽です」

これまで男性たちに振り回されてきたから、熟年の男性の魅力がわかったと美麻さん。

おじさん好き女子の本音は、過去のトラウマから解放され、しかも「もてなされたい!」のです。