毒親は娘が自分より幸せになることを許せない
松山さんは、今でも当時の母親の言動に苦しんでいます。
「付き合った当初から同棲もしていたので、日常の全てが彼だった私は、毒親により全てを失い精神崩壊。1人ではいられなくて、何もできず、食事も取れず、数ヶ月ずっと友人の家に居候させてもらい、お世話になりました。
今も完全にふっきれた訳ではありません。こんな私を支えてくれた友人達のために必死に1日1日を過ごしています。忘れようとすればするほど頭に浮かぶので日々をただ必死にこなしている感じです。
今でも、全く母親の言動が理解できません。私が母親に対して一体どんな悪いことをしたのか?一体何の仕返しなのか?私の時間を返してほしいです。彼と幸せだった、幸せになる所だったあの時間に戻してほしいです。
過去に母親から、『あんたが幸せだと許せない。私が楽しめなかった青春をあんたがなんで楽しんでいるの?』とハッキリ言われたことがあります。
それなのに、私に恋人がいないとき『一人でかわいそうに』『誰かいい人はいないの?』『婚活してみたら?』などと寄り添うふりをされました。
どれが母親の本心だったのか未だにわかりません。もし、本当に娘の幸せを願うのであれば何よりも、誰よりも喜んで祝福してほしかった。一番の味方でいてほしかったです」
親に恋愛を台無しにされないためにすべきこと
最後に松山さんから、「少しでも私のように悲しい思いをされる人が減ってほしい」と毒親育ちが幸せになるためのアドバイスをいただきました。
「恋愛や結婚をするときは、なにより恋人や恋人の家族に自分の育った環境や毒親のことを理解して貰えるかどうかが鍵になると思います。もちろん、毒親との距離感やタイプにもよりますが……。
私の場合は残念ながら、彼に受け入れるだけの器が無かった。それに尽きます。なので、しっかりと話をして受け入れてくれる方なのか、一緒に戦ってくれる方なのかを早めに見極めてほしいです。できれば、関係が発展する前がいいと思います。
あと、私は友人や、職場にも先に話を通し理解や協力を得るようにしました。そして一人暮らしするときは、少しずつ荷物を運ぶか、最小限に留める。毒親から逃げるためには、絶対にバレないように慎重に動いてほしいです。
未成年の場合は、成人よりも逃げ場があります。“こどもシェルター”で検索すると匿ってもらえるところが見つかります。施設にもよりますが、無料で弁護士さんなどに間を取り持ってくれ、絶縁の法的措置を取ってくれるところです。
私は成人していたので、周囲に協力してもらい、警察に『実の親から逃げている』と根回しをして、新しい住所の役所で住民票の閲覧制限をかけました。悩む前に、ぜひ一度こういった行動をとることを考えてみてほしいです」
どんな親に育てられても、子どもは幸せになる権利はあります。毒親育ちは、一人ではありません。幸せな恋愛映画やドラマに出てこないだけで、実は世の中には不幸を強いられている人はいっぱいいるのです。もし毒親に幸せを邪魔されて「逃げたい」と思ったら、ぜひ松山さんのアドバイスを参考にしてみてください。