子どもを持つ親にとって悩ましいのが「性」の話。けれど昨今ニュースでも子どもを狙った性犯罪や性被害の話が絶えません。

もし自分の子どもが園や学校でトラブルに巻き込まれたり、問題を起こしてしまったらと考えると、目を背けてはいけない重要な課題です。

日本の性教育はかなり遅れていると言われており、その理由は、一般的に学校の授業では「受精」=「性交」については教えないところが多いという問題が上がります。

最近では一部の学校で外部から専門家を招いて執り行うところもありますが、親が子どもの命を守る為には、親が「性」について子どもと話せることが重要とのこと。

そこで、高校の保健体育教論を25年勤め、思春期の子どもたちに正しい性知識と自分の体を守る大切さを伝える性教育の専門家・村瀬幸浩さんに、「園児から小学生までの子どもに伝える“性教育”」についてお話を伺いました。

村瀬幸浩さん

幼少期から性教育をする必要性

ーーまず性教育は3歳ぐらいから始めた方が良いと聞きますが、その理由を教えて下さい。

3歳と決まっているわけではなく、3~4歳ぐらいです。その頃にはトイレトレーニングが一応終わっていて、自分でトイレに行くようになるんです。

親ではなく自分で後始末するようになることで生活上、自分の身体を客観視するようになります。そして言葉を知り、学習を始めることが出来る年齢です。

コミュニケーションをとることが出来るという意味では子どもの発達に差はあるので一律何歳とは言えないですが、歳~4歳が適切な時期だと思います。

実は排泄行為には「自分で力む」「便をして気持ちいい」「オシッコを我慢する。我慢してからオシッコをする」などの感情が生まれます。

つまり排泄行為には快感が伴い、快感という言葉を知らなくても体感することになります。だからこそこの頃の子どもたちは「オシッコ」や「ウンチ」をやたらと言葉にして、特別な関心を示すんです。

ーー幼少期から性犯罪に巻き込まれない為にも必要だと思いますが、どうやって性について教えればいいのでしょうか?

「口、胸、性器、おしり=プライベートパーツ」は自分だけが触っていい大切なところ。自分以外の人には触らせないところであり、人のものを触っていけないと教えてください。

更に触ろうとする人にはきっぱり「嫌」と言うこと、そしてもし触られたらお父さんやお母さんに伝えて欲しいと話して下さい。

実は、口は性器官として被害の対象になっているんです。キスされるということもありますが「性器をくわえさせられる」「子どもの性器を舌で舐める」という行為を含め、性加害行為の30%以上が親によるものと言われ、就学すると教師からされるケースもあります。

問題なのは子どもがそれを性被害と気付かず、可愛がられていると思わされている。なので「それは違う」としっかり教えていく必要があります。

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