韓国料理は主菜(メインディッシュ)に対し、野菜をたっぷり使ったキムチやナムルがたっぷり添えられるので、旅行中はずっとお腹の調子がいいという人が多い。
また、漢方の値段が手ごろなので、日本ではなかなかお目にかかれない身体にいい生薬を煮込んだスープなども気軽に摂ることができる。
今回はソウル旅行中に食べすぎ飲みすぎで疲れ気味の胃腸にもやさしい、とっておきの5品を紹介しよう。
チェシクプルクイサムパッ(菜食プルコギとサンチュの定食)
菜食メニューと聞くと、身体にはいいのかもしれないが、あまり食欲はそそられないという人が多いかもしれない。
しかし、この店の定食は韓国料理らしいメリハリのある味付けで、グルメと健康維持が両立できる。
たっぷり添えられたサンチュなどの葉野菜で包む主菜は一見、豚肉のコチュジャン焼きのように見えるが、じつは大豆や小麦などの穀物を固めたベジミート。香辛料が効いているので、ごはんや味噌とともにサンチュで巻いて食べるとちょうどよい。
香辛料やゴマなどを上手に使う韓国料理は味付け、香り付けが変化に富んでいて、菜食メニューでも食べる楽しみがいっぱい。繊維質が豊富な五穀米と主菜に7種類もの副菜が添えられるのもうれしい。
都心とは思えない静かな仁寺洞(インサドン)の路地裏で、混雑する12時~13時を外してゆっくり味わいたい。
オセゲヒャン
鍾路区寛勲洞59 TEL:02-735-7171
11:30~15:30 16:30~21:00 無休
サーモンサラダ
韓国は大衆的な食堂で定食を頼んでも、軽食店でラーメンを頼んでも、キムチやタクワンなどの野菜が少なくとも2、3種類は添えられる野菜天国だ。そんな韓国にあるサラダの専門店となれば、いやがおうにも期待が高まる。
数あるメニューのなかでも特に人気のあるサーモンを選ぶ。出てきたのは大盛りサラダのビビンパ風。真ん中にたっぷりのサーモン。その上にディルとケイパー。その周りにブラックオリーブやキュウリ、トマトが盛られている。
これらの素材がローズマリーオイルとハラペニョドレッシングでまとめられている。レモンスライスを絞れば、さらにさっぱりといただける。
底にお米は敷かれていないが、麦ごはんとアボカドがたっぷり入っているので、大変なボリュームだ。日本の女性2人組なら、サラダひとつとサイドメニューひとつ、ドリンクふたつでじゅうぶんだろう。
HILLSIDE TABLE
鍾路区内需洞110-481 TEL:02-720-5757
8:00~21:30(土日10:00~21:30) 無休
栄養スンデクッ(腸詰の漢方入りスープ)
スンデとは豚の血やでんぷんの麺などを詰めた韓国式ソーセージ、腸詰のこと。腸詰といっても、広く出回っているものは食用ビニールを使っているものが多い。
こう書くと、あまり食欲がわかないかもしれないが、韓国では老若男女に愛されているおかずであり、おやつであり、酒のつまみでもある。
スンデクッはそれをスープにしたもので、市場の屋台などでは定番のメニューだ。二日酔いのときに食べるヘジャンクッ(酔い覚ましスープ)としても人気がある。
ソウル旧市街の中心部、鍾路3街にあるこの店では、スンデクッに栄養(ヨンヤン)の2文字を冠したヨンヤンスンデクッを出している。
スンデのほかに、冷え予防になる高麗人参やナツメ、肝臓の解毒力を高めるケンポナシを加えた豪華版だ。けっして薬臭くはなく食べやすい。秋から冬にかけて身体をあたためる食べものとして要チェックだ。
ハルメ・スンデクッ
鍾路区敦義洞111 TEL:02-745-9298
24時間営業 無休