捉え方次第で、犠牲も犠牲だと思わなくなる

撮影/須田卓馬

――劇中、「好きなことを本気でやろうと思ったら何かを犠牲にしなきゃできない」ということを圭介は言います。この台詞に対して、町田さんはどう思いましたか。

考えさせられますよね。個人的には「犠牲にする」という考えはちょっと寂しいなと思いますけど。自己犠牲の精神は日本独特のところがある。僕は、自分を犠牲にしたら元も子もないなと思うタイプなので、何も犠牲にしなくてすむ道があるなら、そっちを選びたいです。

――俳優さんでも、たとえば役づくりで食事制限をしなければならないなど、「犠牲」が伴うことはあるのかなと思ったりしますが。

そこはやっぱり捉え方次第ですよね。確かに、何かやるために犠牲にするものもあるんだと思います。でも、それを犠牲と思ったら犠牲かもしれないですが、捉え方によっては犠牲ではなく、好きなことをやるために必要なものとも受け取れるじゃないですか。

食事制限もそうで。好きなものやおいしいものを食べられない生活は犠牲かもしれないけど、何かをするために必要なことをチョイスしているだけで。今まさに僕もトレーニング中なんですが、何かを犠牲にしているという意識はまったくないです。

撮影/須田卓馬

――同じことでもどう受け取るかで全然違うと。

人生は考えた方ひとつですよね。圭介もそうは言ってるけど、それが本心かどうかはわからないなと思っていて。犠牲と思ってしまうときは、たぶん自分のコンディションもあんまり良くないというか。いっぱいいっぱいだったりすると、ついネガティブに捉えてしまうこともあるのかなと思います。

――町田さん自身はポジティブなんですか。

どうでしょうか。ネガティブになっていたときももちろんたくさんありますし。自分がネガティブになりがちだとわかっているからこそ、なるべくポジティブに考えるようにしているのかもしれないですね。