作品を観ることはずっと好きだと思います

撮影/須田卓馬

――「弥生交響楽団」の面々は、一生をかけて音楽に愛を注いでいますが、町田さんが一生をかけてずっと愛し続けるだろうなと思うものは何ですか。

何でしょうか。一生をかけてですか。何でしょうか…?(と、考え込む)

――あ、そこでパッとお芝居と答えるわけではないんですね。

そこはわからないですから。僕は興味を持つといろいろ目移りする人間ですし、あまり自分の可能性を狭めたくないなというのがあるんですよね。もしかしたら次にお会いするときは違う職業をやってるかもしれないですし(笑)。

――なるほど(笑)。

一生をかけて愛し続けるものか。何だろう。う〜ん。(と、また考え込む)

――こんなに答えにつまる町田さんを初めて見ました。

そう考えると難しいですね。好きなものはいろいろありますけど、一生をかけて……と考えると自分で苦しくなる人間なんです。あ、でも作品を観ることはずっと好きだと思います。作品を観るといろんな感性や価値観にふれられて刺激を受ける。それはたぶん一生好きなんじゃないかなと思いますね。

撮影/須田卓馬

――最近ビビッと来た作品はありますか。

アンドリュー・ガーフィールドさんの『tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!』という作品がありまして。これは、『RENT』というミュージカルを生み出したジョナサン・ラーソンという作曲家の自伝的ストーリーで。

そんなミュージカル界における伝説の人の物語をミュージカル映画にするだけでハードルが高いのに、臆することなくチャレンジする制作者たちの勇気と挑戦心にまず揺さぶられました。しかも本当にやりきっているんですよ。あそこまでやりきってくれると気持ちいいなと思いました。

――では次の質問です。劇中、「弥生交響楽団」にある奇跡が訪れますが、町田さんが最近経験した奇跡といえば。

まさにこの作品の撮影中の出来事です。とあるシーンで雨が降ってきて雨待ちになったんですね。それで雨よけのところで水谷さんとお話をしていたら、水谷さんが「ちょっと待ってて」と言って目を閉じたんです。そしたら、いきなり雨が止んで。

――え! すごい!

びっくりですよね。もちろんただの偶然かもしれないですが、雨待ちってやっぱり気持ちが沈んでしまいがちなんですね。そこでみんなのモチベーションを上げるために、そういうことをしてくださる水谷さんのチャーミングなお人柄に改めて感動しました。