刺激のある環境だったら、まだ卒業はしていなかったと思うんです。やっぱり歌って踊るアイドルは楽しかったから。48グループってやっぱり特殊なグループだから、自分を表現することをいっぱい学べたというか。
ただ自分にとっては、刺激をもらえる環境ではなくなったし、さらに上を目指さなきゃいけないと思って卒業して。歌って踊るのがいやで卒業したのでは、決してなかったから。
でも、歌って踊ることに関しての見せ方、アピールの仕方は、アイドルを10年やってきた分、自信があると言ってもいいと思います。
今も、たまには「スポットを浴びたいな」って思うことがあります。「アイドルは天職だった」って、本当の意味で思うようになったのは、2017年に入ってからかな。
ーー卒業していろんな経験をして。アイドルだった頃よりも、比較できる対象がたくさんできたからこそ、改めて48グループを見たときに「天職だった」と思えるのかもしれませんね。
そう、それは確かにあると思います。比べるものができたからこそ、そう思えたというか。2017年を振り返ってこう言えるのも、中味の濃い1年を過ごしたからだと思います。
やっと、アイドルをどう思っているのか、卒業してやっと今、客観的になって分かる気がします。それまでは、悔いがないからこそ、アイドルだった自分を客観的に見ることはしなかったんです。
今は歌番組を見ていても、「自分は、ここにいたんだ」って、客観的に見られるようになりました。
ーー2017年に出演した4つの舞台には、アイドル時代の「アピールの仕方」の要素が、たくさん生かされているんだろうなと思います。
すごくあります! 本当にすごく!! 今回の『朝陽の中で微笑んで』でもありました。
ユーミンさんが楽曲を歌っているときに、どういう感情をもってその歌の中で自分が生きるかは、48グループにいるときの経験がすごく生きました。
MV撮影だったり、劇場公演だったり、振りはなくても表現しなきゃいけない楽曲もあったから。
正隆さん自身が、「AメロからBメロに変わるところで座る」とか、「音にはまった芝居をする」のを好まない方だったんです。
自分が音楽に接していなかったら、曲調の変わり目とか、見ていて気持ちがいいところで、この表現をするとか分からなかったと思うんです。
それが分かるのは、48グループで何百曲という歌を歌ってきたからだと思います。
ーー48グループのときは、1人ひとりに与えられる短い時間の中で、「表現の分かりやすさ」も求められますよね。その数をめちゃくちゃこなしてきているわけですから。
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