円安ウォン高傾向でレートもパッとしない、ソウルの物価上昇も天井知らず。
韓国を訪れる旅行者にとってはちょっと厳しい状況だが、心配無用。韓国には庶民のふところにやさしい飲食店がたくさんある。
今回は2000ウォンから5000ウォン(約220円~540円)で楽しめる、ソウルの安くて美味しいチープグルメスポットを5店紹介しよう。
あつあつのスープとごはんに大根キムチが付いて2000ウォン!
鍾路3街駅5番出口のすぐ近くにあるが、日本人にもおなじみの観光地・仁寺洞エリアの東側といったほうがわかりやすい。
店は外側も内側もけっしてこぎれいとはいえず、お客もおじさんやおじいさんが多いので、入りやすい店とはいえない。
しかし、国民的な人気があるのど自慢番組の有名司会者がテレビなどでこの店の応援をしたため、最近は若者や女性の姿も見られるようになった。ネットで日本人女性の訪問報告を見ることも珍しくなくなった。
料理はウゴジタンと呼ばれる大根の干し葉のスープのみなので、注文の言葉は不要。黙って座ればスープとごはん、大根キムチがサッと出てくる。
店先の大鍋で煮立っているスープは牛肉でダシをとっているのでコクがある。激辛ではないが、コショウがきいているので体があたたまり、ごはんが進む。
創業者は朝鮮戦争のときに北側から避難してきた女性で、「飢えることがどれだけ大変なことか身に染みているので、薄利多売を続けている」とのこと。このエピソードで心まであたたまりそうだ。
ソムンナンチッ
鍾路区楽園洞241 TEL:02-742-1633
4:30~22:00 無休
日本人には2人前くらいに感じられる大盛り麺が2000ウォン!
仁寺洞側から見ると、前項の『ソムンナンチッ』の手前には、1階部分がトンネルのような車道になっていて、クルマが行き来している楽園商街ビルがある。
韓国人でも知らない人がけっこういるが、その地下は生活市場になっていて、ビルの脇にある階段を下りると、生鮮野菜や精肉店、食器や衣類などの店が連なっている。
市場の中央には、不統一なデザインのテーブルや廃校から払い下げられたような椅子を並べた屋台風の食堂が数軒ある。
ここではチャンチククスと呼ばれる韓国版かけそばが2000ウォンで、マンドゥクッと呼ばれる餃子入りスープが3000ウォンで食べられる。
チャンチククスはイリコダシの関西風スープに素麺風の麺が入ったもの。その麺の量は日本の立ち食いソバの1・5倍から2倍くらいはあってボリュームたっぷり。
マンドゥクッは具のたっぷり入った餃子が3つ、その下にはトッ(餅)がたっぷり敷き詰められていて、こちらもおなかがいっぱいになる。白菜キムチも添えられるので野菜不足になる心配もない。
楽園地下商街
鍾路区楽園洞284-6
11:00~21:00 無休
サーバーから注がれる生ビールが2000ウォン! ズッキーニのチヂミが5000ウォン!
NHKBSプレミアムの『世界入りにくい居酒屋』に登場して、女将と常連客との間で繰り広げられる人情劇場が話題となった店。
鍾路3街駅の15番出口と乙支路3街駅の中間地点辺りの零細工場街にある。
居酒屋といっても基本的にはよろずや(小さな食糧雑貨店)で、周辺の金属加工工場で働く職人さんのために酒やつまみを安く提供している。
1階は店舗と厨房を兼ねていて、そこにも席はあるが、少々きゅうくつなので、日本人旅行者は2階に上がったほうがゆっくり食べられるだろう。
店の目と鼻の先にある親水公園・清渓川の向こう側の乙支路面3街駅の西側には、大衆的なビアホール街があり、そこはふつう4000ウォンはする生ビールが3000ウォン(500ml)で飲めることで人気があるのだが、この店はよろずやには不似合いなサーバーから注がれる生ビールがなんと2000ウォン(約210円)だ。
つまみはもっとも手ごろなケランフライ(両面を焼いた目玉焼き)が卵3個で3000ウォン。テレビにも登場していたホバクジョン(ズッキーニのチヂミ)が5000ウォン。
ホバクジョンは表はこんがり、中はズッキーニの瑞々しさを残すように揚げてあり、とてもヘルシーだ。
2人で行って、生ビールを2杯ずつ飲み、上記のつまみ2品を頼んでも、16000ウォン(1700円強)にしかならないのだから、たまらない。
ソウルシップン
鍾路区観水洞102-1 TEL:02-2267-3657
9:00~22:00 日曜休