2006年のデビュー以来、恋愛ソングを中心に歌い続けてきたシンガーソングライターの藤田麻衣子。アニメファンにとっては昨年、アニメ『緋色の欠片』の主題歌『ねぇ』『高鳴る』を歌ったことでおなじみだ。
現在は2月に発売したベストアルバム『LOVE STORY BEST ~緋色の欠片~』を引っさげて全国ライブツアーの真っ只中である彼女だが、一方では6月12日にニューシングル『手紙 ~愛するあなたへ~』を発売するなど精力的に活動を続けている。
両親へのストレートな感謝の気持ちをつづった珠玉のウェディングソング『手紙 ~愛するあなたへ~』はどのようにして生まれたのか。また、ライブツアーファイナル公演を前に何を思うのか。7月3日(水)のニコニコ生放送番組『アニメぴあちゃんねる』出演に先駆けて、インタビューした。
――『手紙 ~愛するあなたへ~』が発売されました。この曲はCD化の前にライブでは歌われていたそうですが。
藤田「3月くらいにできた曲なんですが、早くみんなに聴いてほしくて、ファンクラブ限定のライブで歌ったんです。小さいライブハウスでのイベントだったのですが、会場から鼻をすする音とかが聞こえてきて、終わった後のアンケートではたくさんの方が“泣きました”と書いてくれました。ああ、届けられたなって思いましたね。ツアー中でも歌ってきたのですが、その途中でシングルになることが決まったんです」
――藤田さんといえば恋愛ソングですが、『手紙 ~愛するあなたへ~』は年配の方の視点でも共感できそうなウェディングソングになっています。
藤田藤田「そうなんです。今までは同年代の女性に共感していただくことが多かったのですが、この曲は上の年齢の方やお子さんがいる方等、より幅広い層の方々に聴いていただけているような実感があります」
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――『手紙 ~愛するあなたへ~』はどのようにして生まれたのでしょう。
藤田「きっかけになったのは友だちの結婚式でした。友だちのご両親への手紙で”お父さん、お母さん、今日まで私を大切に育ててくれてありがとう”という言葉が綴られていたんですね。それが本当にいい言葉だなと思って、それがこの曲を作るきっかけになりました」
――言葉がまず先にあったと。
藤田「私はいつも歌詞を先に作って、メロディーを後からつけるやり方で作曲するんです。この曲はまっさきにサビができて、AメロBメロと作っていったんですが、そこからが大変でした。というのも、両親への手紙を書くつもりで作っていたのですが、親との思い出が多すぎて書くことがまとまらなかったんですね。歌詞が変わればメロディーも変わるわけですから、しばらくは他のことが手に付かないくらい迷っていました。結局、名古屋の実家に帰って、親とアルバムを見ながら数時間くらい話をしたんです」
――それが決め手に?
藤田「アルバムの他に母の日記があったんです。私が生まれた日の陣痛の痛みなんかについて書かれていて、母は普段あまり弱音を吐かないので衝撃でした。ああ、こうやって産んでくれたんだなと思ったらウルウルきて。それですぐに東京に帰って曲を書いて完成したんです」
――曲を聴いたご両親の反応はいかがでしたか。
藤田「大阪のライブで初披露したときに両親も来てくれたんですが、私が歌いながら舞台上で泣いてしまって。楽屋で両親には”あの歌よかったよ”って言ってもらえました。照れくさそうにしていましたが、これは絶対に泣いたんだろうなって(笑)」
――親への感謝の気持ちを伝える機会はなかなかないですからね。
藤田「でも自分が泣くのはどうだろうと思うので、他の会場では泣かないように気をつけています(笑)。やっぱり自分だけじゃなくて、みんなの歌になってほしいから」