ダリが描いた挿絵も公開!
3つ目のセクションは「新たなアリス像」と題され、サルバドール・ダリ、ジョン・クラクストン、マックス・エルンスト、マリオン・アドナムスら20世紀を代表するアーティストたちが、『不思議の国のアリス』が内包する影の側面や、無意識への旅に刺激を受け、インスピレーションを発揮した作品群を展示。
強い意思と批判精神を兼ね備えたアリスが、シュルレアリスムやカウンターカルチャーの反権威的精神のシンボルへの昇華されたユニークな美術史を味わいたい。
さらに不思議の国への歩みを進めると、奇抜なコスチュームが目に飛び込んできた。ここは4つ目のセクション「舞台になったアリス」。原作に忠実な内容から風刺やパロディー、現代の観客用に翻訳されたものまで、舞台化されたアリスの歴史が、舞台衣装やセット模型、公演ポスターなどを通して紹介されている。
そして冒険の締めくくりを飾る最後のセクション「アリスになる」では、ヴィヴィアン・ウエストウッドのアンサンブルや、ヴィクター&ロルフがデザインしたマッド・ハッター(狂った帽子屋)の衣装、日本の「パンク・ロリータ」衣装などを展示し、華麗なる不思議空間を体験させてくれる。
原作の世界観に没入できる遊び心あふれる展示演出は、子どもから大人まで『不思議の国のアリス』の世界を心ゆくまで楽しめるはず。
誕生からおよそ160年――。今もなお、さまざまな分野の独創的なアイデアを触発し続けている『不思議の国のアリス』の、まるでウサギ穴のような“底知れぬ”魅力をぜひ体感してみては?
開催情報
『特別展アリス―へんてこりん、へんてこりんな世界―』
2022年7月16日(土)~10月10日(月・祝)、森アーツセンターギャラリーにて開催