ストレイテナー ホリエアツシ Photo:橋本塁
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9月5日(土)、ストレイテナーにとって初の配信ライブとなる「TITLE COMEBACK SHOW」を開催する。このライブタイトルからピンとくる人もいると思うが、今回のライブは今年リリースから15周年を迎える、2ndアルバム『TITLE』の再現ライブとなる。

コロナ禍でこれまでのようなライブができない状況だが、だからこそスペシャルな企画で楽しんでもらいたいという、ストレイテナーの心意気が伺えるライブである。

インタビュー後半は、15年を経たアルバム『TITLE』への思い、そして「TITLECOMEBACK SHOW」の見どころなどをフロントマン・ホリエアツシに話を聞いた。

2ndアルバム『TITLE』を振り返って今、改めて思うこと

──改めて15年前のアルバム『TITLE』についてお聞きします。当時は大山さん加入前の、ホリエさん、ナカヤマさん、日向さん3人編成時代でしたが、振り返ってみてご自身ではどんな作品と捉えていますか。

歳を重ねていくと、その時々で没頭している音楽性だったりとかそういうものがあって。実験的な作品だったり楽曲というのも作ってきたし、過去に自分たちが作ってきたものをフィードバックさせる曲の作り方も今だったらできるんですけど。

この『TITLE』の頃って、なんていうか猪突猛進みたいな。目の前のことをがむしゃらに掘ってるアルバムだったと思うので。そのときの、できる限りのことを出し尽くしているなというアルバムで。

だから、いちばん凝縮されているというか。このときこれしかできなかったんだなというのが、露わになっているアルバムだなと思いますね。ジャンル性だったり、時代性だったり、世代だったり、そういうものが全面に出ているから、他のどの作品ともちがうなという。

──SNSでもそういうことを書いていましたね。当時のジャンルが細分化して、インディペンデントなシーンも盛り上がっていったなかで、ストレイテナーというオルタナティヴな存在感はすごくあったと思います。

あとはその前の1stアルバム『LOST WORLD’S ANTHOLOGY』が、まだシンペイとふたり時代に作った曲の中に、ひなっちのベースを突っ込んだという作り方だったんですけど。

『TITLE』からは「RIMINDER」が最初だと思うんですけど、3人でゼロから作ったという曲ばかりだから。そこで自分も水を得た魚じゃないですけど、今まで縛られていたものを取っ払って、自由に動き回れるぞっていう感覚があって。

だからこそ敷居が上がったというか。それまでずっとパワーコードで1曲押し切っていたようなアレンジから(笑)。アルペジオを入れてみたり鍵盤を入れてみたりできはじめたのも、『TITLE』からなんじゃないかな。

──バンドがもう一度スタートした感覚ですね。それをファンの方が大事な作品としてずっと聴いてくれたり、好きでいてくれるっていうのは嬉しいことですね。

そうですね。とはいえ、当時からずっとファンでいてくれる人たちばかりではなくて、新しくファンになった人たちにとっても多分、入りやすいアルバムなのかなっていう。後輩のバンドからも、“『TITLE』聴いてました”っていうのは散々言われましたしね。

──そのときに一生懸命できることをやったアルバムだったからこそ、こうして振り返ったときに大事な作品になっているんですね。

でも、自分たちとしてはその当時は全然手応えがなかったんですよ(笑)。同世代のいろんなバンドたちはジャンル性とか、そのバンドのカラーというものを持った人たちが周りにたくさんいたから。

このアルバムで確固たる地位を築いたみたいな実感はなかったし、ライブでのリアクションも思ったほど大きくなかったというか、その頃はまだまだで。もっともっとという気持ちだったので。

まだ、お客さんついてこれてないなって思っていたんですけどね。後々、ストレイテナーというバンドを表す上で大きなものを残せていたのかなと思いました。