2: 「I(アイ)メッセージ」で伝える
「今日、残業してください」
この伝え方の主語を明確にして表現すると、「(あなたは)今日、残業してください」となります。
つまり、主語は「あなた」ということになります。このように「あなた」が主語になるメッセージの伝え方は、「YOU(ユー)メッセージ」になります。「YOUメッセージ」は、指示、命令、強制のニュアンスがとても強い伝え方だからです。
頼むのが上手い人たちは、主語を「私(I)」にして、こう言い換えて伝えます。
「今日、残業してくれると助かります」
この伝え方の主語を明確にして表現すると、「今日、残業してくれると(私は)助かります」となりますね。
このように「私」が主語になる伝え方は、「I(アイ)メッセージ」です。
指示、命令、強制のニュアンスが強い「YOUメッセージ」に対して、「Iメッセージ」は、自分の考えや感想を伝えているだけ。相手の心に抵抗や反発心を生むことはありません。
むしろ相手は、「人の助けになりたい」「喜んでもらいたい」という心理から、快く動こうとしてくれるでしょう。
プライベートでの活用例
彼氏にドライブに連れて行ってほしい場合、
「日曜日、ドライブに連れて行って」→「日曜日、ドライブに連れて行ってくれるとすごく嬉しいな」
このように、自分を主語にして話してみましょう。
3: 「二者択一法」を使う
すでにしてほしいことは引き受けてもらえるという前提で、「A案かB案、どちらがいいか?」を提案する「二者択一法」も効果的です。
残業してほしいなら、
「今日残業してほしいんだけど、20時までできる? それとも19時までできる?」
と伝えます。
残業をしてもらえることは前提にして、何時までやるかの選択肢については2案提示して相手に委ねています。
2つの選択肢を並べて選ばせると、人間はその2つ以外の選択肢を考慮しなくなる傾向にある(つまり前提を自然と受け入れてしまう)ことが心理学の実験で明らかになっています。これは、それを利用した伝え方です。
こちらはセールスの現場などでも頻繁に使われているテクニックです。
プライベートでの活用例
彼氏と外食デートしたい場合に、
「今日、外にご飯食べに行こうよ」→「今日、外にご飯食べに行きたいんだけど、和食がいい? それともイタリアンがいい?」
このように、さらっと自分の希望の選択肢を織り交ぜて伝えてみましょう。
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今回ご紹介した頼み方のテクニックはほんの一部です。
「人に頼むのが苦手」「もっと仕事もプライベートも充実させたい」という方は、ぜひ本書を手に取ってご覧になってみてください。
「人に頼めない」という方の深層心理についても詳しく書かれているので、幼少期からの自分のマイナスパターンやトラウマについて気づくことができるかもしれません。