デッドプール(マーベル・コミック)
デッドプールは、マーベル・コミックが生み出したヒーローのひとりで、近年では、単独での実写映画も制作されるなど、高い人気を誇るキャラクターです。
「不死身」ともいえる程の超回復能力を持つスーパーヒーローではあるものの、その能力を得た際に、副作用から全身の皮膚が焼け爛れてしまった挙句、精神にも異常をきたしてしまい、常時"アブナイ"言動を繰り広げる奇妙なヒーローとして描かれています。
その性格は、とにかくお下劣で超下品。更には、悪人ならば情け容赦なく殺す残忍さも併せ持っています。
映画版では、シモネタ、エロネタを連発しながら、ハードなアクションで悪役を次々に惨殺。そのハードコアな作品性から、ヒーロー映画でありながら公開時に年齢制限が設けられるという実に"らしい"快挙を成し遂げました。
名実ともに、文字通りの「R指定」なヒーローであるデッドプール。しかし、その突き抜けているが故に痛快無比かつコミカルでファニーなキャラクターは、多くのアメコミファンに愛されており、絶大な支持を得ています。
今夏には、映画版第2弾の公開も控えている我らがデッドプール。再び、悪ノリ全開なトリックスターっぷりで、ファンを楽しませてくれることでしょう。
スポーン(イメージ・コミック)
非マーベル、非DCコミックスのアメコミ作品でありながら、90年代に登場するやいなや、アクションフィギュアが大ヒットし、一大ブームを巻き起こした作品が『スポーン』です。
卑劣な謀略により命を落としたCIAの工作員、アル・シモンズは家族を守る為に、魔界の王と契約を交わし「スポーン」へと生まれ変わる。しかし、魔界から甦った彼が降り立ったのは、自分の死から5年後の世界。愛すべき家族は、既に新しい人生を歩み始めており、自分が立ち入る隙はそこにない。スポーンは絶望を抱えながらも、過酷な闘いへと身を投じていくのであった……。
実に暗く、ハードなストーリーが物語の本筋で、劇中には残酷な場面や陰惨な展開も多く、こちらもアメコミ界の「ダークヒーロー」の代表格としてファンに知られています。
奇抜でダークでありながらスタイリッシュなデザインが受け、人気ヒーローとなったスポーン。
1997年には、現在のアメコミ映画全盛を先駆けるかの如く、実写映画も制作されており、サウンドトラック盤には、有名メタルミュージシャンとテクノアーティストがコラボする形で楽曲を提供。ロックファンを中心にサントラ盤もヒットとなり、様々な面で話題を振りまいた作品でした。
仮面ライダースナイプ(『仮面ライダーエグゼイド』)
"ちょいワル"ならば、日本の特撮ヒーローも負けていません。
特に『仮面ライダー』シリーズは、『クウガ』からスタートした平成ライダーシリーズにおいて、"アンチヒーロー"を体現するかのような斬新なヒーロー像を次々に生み出してきました。
そんなライダーたちの中から、筆者が一推ししたいのが、『仮面ライダーエグゼイド』に登場した仮面ライダースナイプです。
「ゲーム」と「医療ドラマ」というふたつの要素をドラマの軸に据えた本作において、ガンシューティングをモチーフとした射撃系のライダーで、医師免許を持たない"闇医者"の花家大我が変身します。
『仮面ライダーエグゼイド』はストーリーの序盤において、主役であるライダー同士の関係が非常にギスギスしており、常に緊張感が漂っているのですが、中でも大我の協調性のなさは突き抜けており、度々他のライダーたちとの間に諍いを呼び込みます。
また、好戦的な性格で、言葉遣いも悪く、自身の目的の為ならば他者に対して過激な強硬姿勢を見せることも。荒っぽく、かつ冷徹で、人間性が見えないヒーローなのです。
しかしながら、大我が共闘を拒み続けるのは、ある重要な事情を抱えているが故であり、ドラマが進むにつれて、その重い過去が徐々に明らかになっていきます。
ストーリーの中盤から登場し、良きパートナーとなる西馬ニコとの交流や、周囲との和解を通して、徐々に人間性を取り戻し、自身と周囲との壁を壊していく大我。そのヒューマンドラマも、『仮面ライダーエグゼイド』の大きな見どころです。