新たなナンパスポットに

【ソウル乙支路3街】2022年の夏、ノガリ横丁で女子会グループに話しかける男の子たち

2杯目の生ビールを乾してそろそろ帰ろうと思ったら、目の前で寸劇が始まったのでしばし居座ることにした。

前のテーブルの女子会3人組に、どこからか現れた男子グループ数組が次々と話しかけている。

韓国で言うハンティング。日本で言うナンパである。路上で飲めるノガリ横丁は伝票さえ持っていれば席の移動もしやすいので、数年前からナンパの名所になっているのだ。

品定めを続けていたらしい女子会3人組は、4組目の男性グループと相席になった。いい雰囲気で会話が続いている。ナンパをするほうもされるほうも慣れているようだ。これもノガリ横丁の新しい風景といえる。

80年代末から2000年代の初頭、我が国では軽薄な路上ナンパに抵抗を感じる若者が多く、ナンパは主にディスコ(クラブ)などの閉ざされた空間で行われていた。

あれから20余年。今やノガリ横丁はダンスのないクラブなのかもしれない。もちろん、コロナ禍で大箱のクラブの営業時間が短縮されていたことも影響しているだろう。

【ソウル乙支路3街】生ビールとファンテ(干し鱈)。かつての「OBベオ」の店内で

よくも悪くも、我が国の飲酒文化の変遷と若者風俗を目の当たりにできるノガリ横丁。

訪韓の際はぜひみなさん自身の目で確認してみてほしい。

【ソウル乙支路3街】冬になると、ノガリ横丁にはテントの花が咲き、寒風に吹かれずに外飲み気分を味わうことができる

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鄭銀淑:ソウル在住の紀行作家&取材コーディネーター。味と情が両立している食堂や酒場を求め、韓国全土を歩いている。日本からの旅行者の飲み歩きに同行する「ソウル大衆酒場めぐり」を主宰。著書に『美味しい韓国 ほろ酔い紀行』『釜山の人情食堂』『韓国酒場紀行』『マッコルリの旅』など。株式会社キーワード所属。