知っている「腐女子語」で年齢がわかる!?
今でこそ、男性同士の恋愛関係を描くジャンルを「ボーイズラブ(BL)」と呼びますが、この言葉が誕生したのは1994年。この頃に相次いで創刊されたBL雑誌が「ボーイズラブ」を使いはじめたことで普及しました。
それまで、BLを意味する言葉として使われていたのが「June系」や「耽美」、そして前述の「801」です。
「June」、「耽美」の語源となっているのは、1978年に創刊された雑誌『June』(※創刊当時は『comic Jun』)。女性向けに男性同性愛をテーマにした作品を掲載した、BL雑誌の先駆け的存在で、雑誌名にちなんで男性同士の恋愛関係を描くジャンルを「June系」と呼ぶようになりました。
また、『June』に掲載される作品に耽美的なものが多かったことから、「耽美系」と呼ぶこともありました。00年代までは、書店でBL作品が並ぶ棚に「耽美系」と表示されていることが多かったので、『June』を読んだことがない人も知っているのでは?
ただ、最近ではあまり使われなくなった言葉なので、「最近、BLにハマった友達は知らなかった」(31歳・女性)なんて声も。「June系」、「耽美系」が通じるかで、相手の年齢やBLにハマった時期がわかるかもしれませんね。
日常会話に潜む「腐女子語」。
隠語として使われてきた腐女子語には、BLを知らない人に聞かれても日常会話だと思われるように、本来は別の意味を持つ言葉が使われることがあります。
たとえば、「修羅場」。一般的には人間関係のトラブルを意味する言葉ですが、腐女子コミュニティでは同人誌の原稿が締め切り間近で、作業に切羽詰まっている状況を表す言葉として使われています。
もしも、腐女子が「今、修羅場で…」と疲れた様子でつぶやいていて、人間関係のトラブルでないようなら、優しく栄養ドリンクを差し入れてあげてください。
今ごろ(8月上旬)だと、日本最大の同人誌即売会「コミックマーケット」の準備で「修羅場」の腐女子も多いかもしれませんね。
ちなみに、「コミックマーケット」の略称は「コミケ」や「夏コミ/冬コミ」が一般的ですが、今回の聞き取り調査では「夏子さん、冬子さんと呼んでいた」(25歳・女性)とのローカルな腐女子語も寄せられました。
ちなみに、「コミックマーケット」に参加することは「夏子さん/冬子さんに会いに行ってくる」と言っていたそう。
また、同人誌即売会に関係する腐女子語で、関西在住の腐女子になじみ深いのが「インテ」。大阪府大阪市にある大型国際展示場「インテックス大阪」の略称ですが、腐女子コミュニティではそこで開催される同人誌即売会「COMIC CITY大阪」を「インテ」と呼びます。
聞き取り調査では「イベント名ではなく、会場名にちなんでるのが不思議~」(26歳・女性)とのコメントもありました。
腐女子語はこのほかにも、まだまだたくさんあります。腐女子語をもっと知りたいという人は、『腐女子語事典』やネット、地域や年代が異なる腐女子友達との会話から、おもしろい腐女子語を探してみてはいかがでしょうか。
きっと、腐女子文化に対する新たな驚きや発見があるはずですよ。