スパイダー・スーツの変遷
スパイダーマンはコミック自体の歴史も長く何度か映画化もされています。それに伴い、スパイダー・スーツ(以下スーツ)も何度か変化。基本は赤と青のカラリングです。
映画もこのパターンを踏襲していますが、トビー・マグワイヤ版の『スパイダーマン』シリーズ、アンドリュー・ガーフィールド版の『アメイジング・スパイダーマン』とトム・ホランド版の、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のスパイダーマンでは、スーツの描き方に決定的な違いがあるのです。
マグワイヤ版、ガーフィールド版のスーツはあくまでピーター・パーカー(スパイダーマン)が自分のアイデンティティを隠すためのコスチュームだった。
つまり変装的な意味合いが強い。スーツ自体に特別な力はないわけです。
ところがホランド版は、もちろんピーターという正体を隠すための装いではあるのですが、アイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)が設定しただけにスーツ自体が、アイアンマンのアーマーのように様々なギミック、スペックを持っているわけです。
さらにAIのナビゲートもあってピーターのことを助けます。従ってスーツ自体がある種の武器といっても過言ではありません。
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』には4つのスーツが登場
さて、6月28日(金)に世界最速公開を迎えた『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』には4つのスーツがでてきます。
1.アイアン・スパイダー
最初に登場するのは『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』『アベンジャーズ:エンド・ゲーム』に登場した”アイアン・スパイダー”と呼ばれるスーツ。
ナノ・テクノロジーで変身ヒーローのようにピーターから瞬時にスパイダーマンになるし、また4本の金属製のアーマーが背中から飛び出します。
質感もメタルっぽくて、アイアンマン・スーツに似ています。
2. トニーから贈られた最初の赤と青のスーツ
続いて登場するのが『シビル・ウォー:キャプテン・アメリカ』から着ている赤と青のスーツ。これはトニーから贈られた最初のスーツになります。
『スパイダーマン:ホーム・カミング』ではこのスーツには様々な機能がついていることがわかりました。個人的にこのスーツがすごいなと思うのはこれだけすごい力を持っているのに、飛行機に持ち込めることなんですね。
予告とかみると普通の服にまぎれてスーツケースに入っていても気づかれない(笑)だからこのスーツはアーマーではなくコスチュームに近いものなのでしょう。
3.全身黒づくめのスーツ
そして全身黒づくめのスーツです。
実は原作コミックではスパイダーマンが黒いスーツだったことがあります。この黒いスーツの生地が実は宇宙生物で、ヴェノムになってしまうのです(このへんのくだりは映画『スパイダーマン3』で描かれていました)。
しかし今回はそのブラック・スパイダーマンを登場させた、というよりも”自分=ピーターがヨーロッパにいる時に、いつものスパイダーマンが現れると正体がばれてしまう、”という懸念からニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)たちが手配したスーツのようです。
従ってファンの間では、ブラック・スパイダーマンではなく隠密行動用のステルス・スパイダーマンと呼んでいます。
アカデミー賞をとったアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』にも登場した黒づくめのスパイダーマン・ノワールに似ている気もしますが、スーツの質感がブラック・ウィドウの戦闘服っぽい感じもしますね。さすがS.H.I.E.L.D.製でしょうか。