3:いびき対策には漢方薬もおすすめ
いびき対策には漢方薬の活用もおすすめです。
漢方薬は、西洋薬と比べると効果を感じにくいという印象を持たれるかもしれませんが、臨床データでその効果を証明している論文も多く出ています。
たとえば、竹迫賢一らが日本東洋医学雑誌(44巻1993-1994 1号)で発表した論文によると、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)に、いびきに対する治療効果が認められたとしています。
そのほかにも、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、柴胡加竜骨牡蠣湯( さいこかりゅうこつぼれいとう )などの漢方薬がいびきに著効を示したとの報告があります。
また、いびきの原因に注目すると、次のような漢方薬が使われることもあります。
いびきの原因が「肥満」である人に
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
脂肪代謝を高めることで、ため込んだ余分な脂肪を燃焼して肥満症を改善します。
いびきの原因が「疲れ」である人に
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸のはたらきを高めることでエネルギーの源である「気」を増やします。この「気」がからだをめぐることで気力を補い、疲れを改善していきます。
いびきの原因が「鼻づまり」である人に
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
体内にこもった余分な熱を冷やして追い出すとともに、鼻の通りをよくします。
このように、いびきには原因や症状によってさまざまな漢方薬が使われています。からだの内側からバランスを整えることで、いびき対策だけではなく、肥満や疲れやすさなどのさまざまな不調を同時に改善することが可能です。
また、漢方薬はいびきの根本改善を目的としますので、繰り返すいびきに悩まれている方にはとくにおすすめです。
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漢方薬は適切なものを服用しないと、効果があらわれないばかりか副作用を生じることもあるので専門家に相談することが大切です。
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就寝中のいびきは、本人には自覚がないので指摘してあげるしかありません。
繊細なことなのでなかなか言い出しにくいかもしれませんが、ご紹介したような改善策を一緒に伝えてあげるとスムーズに解決できそうです。
また、最近では、あごの小さい女性のいびきも増えており、他人事ではないともいわれています。
いびきは、重大な病気につながる可能性もあるので、我慢せずに相手のからだの心配から提案していることを合わせて伝えましょう。
いびきを改善して、夫婦ともに安心して眠れる夜を過ごしましょう!
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 竹田由子
元漢方・生薬認定薬剤師。大学院で臨床薬学を専攻、日米で病院研修を受ける。病院薬剤師として10年間入院患者を担当しながら、化学療法・医薬品情報担当としても活動する。
患者さんから「本音を話しやすい」と言われ関わるうちに、日常のセルフケアの大切さを痛感。転居後は薬局に勤務する傍ら、ライターとしても活動する。病院時代の上司が漢方好きで、漢方の凄さを体感し魅了され「日常の不調はまず漢方」と生活している。
現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。