あせもの悩みは暑い夏場に限られたことではありません。秋冬の寒い季節でも、厚着したり暖房のきいた室内にいたりすると、汗をかきやすい状態になるからです。
さらに、冬場は乾燥しやすいので、夏と比べると乾燥からくるかゆみも感じやすくなります。
とくに、赤ちゃんや小さな子どもは、症状を訴えることが難しいため、気づかない間に悪化してしまうこともあります。
今回は、子どものあせもの対処法と予防法について解説していきます。
1:子どもはあせもができやすいって本当?
あせもは、赤くブツブツとした発疹で、急にかゆみが出る皮膚トラブルです。たくさん汗をかいた部位にあらわれ、汗の正常な排出が妨げられることで起こります。
あせもが子どもにできやすいのは、大人よりも汗をかきやすい体質だからです。子どものからだは代謝が活発で、さらに体表面積あたりの汗腺の密度が大人と比べて高いために、大量の汗をかきやすいのです。
たくさん汗をかくと汗を排出する管が詰まりやすくなり、からだの外へスムーズに排出されません。排出されなかった汗は皮膚の中にたまって周囲の組織を刺激するため、あせもが生じるのです。
2:子どもにあせもができたときの対処法
かゆみがあるときはつい肌をかきむしりたくなりますが、かけばかくほどかゆみが増していきます。それは、かいたときの刺激によって、かゆみを引き起こす物質の分泌が促されるためです。
さらに、かくことでバリア機能が低下すると、肌は乾燥し、ますますかゆみを感じるという悪循環に陥ります。
また、かくと炎症が起こり、発赤、熱感、腫脹、疼痛など症状の悪化を招きます。
かきむしることで皮膚が傷つき細菌感染が起こると、とびひなどに進展してしまうことがあるため、あせもができたときは、まず炎症やかゆみを抑えることが大切です。
子どものあせもの対処法として、以下に説明する方法があります。
2-1 炎症を抑える薬を塗る
赤いあせもは、患部に炎症が起きている状態です。炎症は周囲の神経や細胞を興奮させてしまうため、かゆみの範囲がさらに広がってしまいます。
炎症を抑えるためにさまざまな塗り薬が市販されていますが、かゆみが強い場合はステロイド成分配合の塗り薬を使って、しっかりと炎症を抑えることが大切です。
ステロイド外用剤は、塗る部位や症状の程度、年齢などによって使い分ける必要があります。適切なステロイドの効果の強さ、薬の剤形を選び、使用上の注意を守って正しく使用しましょう。
2-2 患部を冷やす
かゆみをすみやかに抑えるためには、あせもができている部位を冷やすのが効果的です。
炎症を起こしている部位には血液が集まっているため、かゆみを引き起こす神経伝達物質も集中しています。冷やすことで神経の興奮が鎮まり、かゆみを抑えることができます。
冷たいおしぼりや、保冷剤をタオルやハンカチにくるんだものを患部にあてるといいでしょう。冷たいシャワーをあてるのもおすすめです。
また、万が一あせもの部位をかいてしまっても、皮膚がなるべく傷つかないよう普段から爪を短くしておくことも大切です。子どもの爪は欠かさずチェックしましょう。