©Animelo Summer Live 2013/MAGES.
  

話は変わりますが、ミルキィホームズのパフォーマンスに、安定感や普遍性を感じている人は多いのではないかと思います。揃いの探偵服と幾つかの大定番曲のイメージが強いこともあって、いつも楽しく安定したライブステージという印象があります。それはステージへの信頼、良い意味での定番さであり、今回歌った「正解はひとつ!じゃない!!」、あるいは「雨上がりのミライ」がないアニサマはもはやイメージしにくいです。ですが、ステージに立つ彼女たちに変化がないのかといえば、それは違います。

今回ステージを見ていて、徳井さんの生き生きとした表情にはっと視線を吸い寄せられる瞬間がありました。これも4年以上の積み重ねの中でダンスや基礎体力の地力が上がってきた結果、昔はがむしゃらに踊っていたのが、ステージングの中でいい表情や感情を見せる余裕が出てきたのではないかと思うのです。そうした変化が一番わかりやすいのは、3年前、デビュー半年でアニサマに立った佐々木未来さんです。当時の彼女と、今年の自信に満ちた姿をぜひ見比べてほしいと思います。今回披露した新曲の「ぐろーりーぐろーいん☆DAYS」は、まさに今のミルキィチームを描いた曲なのかもしれません。

それでも、ミルキィホームズという安定したフォーマットの中では、一見の人に向上した部分を理解してもらうのはなかなか大変です。

今年のアニサマの前、橘田さんが「ミルキィはダンスでも他のユニットに負けません!」と話していました。地道なレッスンを重ねながら、ミルキィというライブコンテンツを育ててきた自負とプライドが言わせた言葉のようで、嬉しくなったのを覚えています。

だからこそ、彼女たちはもっとステージを良くしたい、面白くしたいということに貪欲なのだと思います。

今回ライブ前に別々のタイミングで話を聞いたメンバーたちは、揃って「ミルキィならではの面白いことがしたい」と話していました。

アニサマでもただ歌うだけではなく…という魅せるユニットとしてのコンセプトを大事にしたかったのだと思います。今回のステージの最後、4人は何か事件が発生して、ステージから急行する設定の寸劇を見せながら去っていきました。中の人、歌い手ではなく「キャラクターの」ミルキィホームズとしての顔を短時間で見せる試みとして面白かったと思います。

ただ今回のアニサマ初日は、ステージで歌うだけで終わらないパフォーマンスをするという面では、後述のももいろクローバーZのコラボステージが、あまりにも弾け方とインパクトがすごすぎました。

この日、同じステージに立ったことは、ミルキィにとっても必ず刺激になったと思います。そして、その刺激に少しでも悔しさを感じていれば、ミルキィホームズというユニットはもっと上に行ける可能性を秘めているんじゃないかと思います。

●ももいろクローバーZ その2

 

©Animelo Summer Live 2013/MAGES.
  

ももいろクローバーZのもうひとつの出番は、 串田アキラさんとのコラボによる「キン肉マンGo Fight!」(『キン肉マン』)でした。

実は個人的に、串田さんとのコラボは予想していました。せっかくももクロちゃんが来るなら何がしかのコラボはするでしょうし、ももクロの存在感とフィットするのは串田アキラさん、もしくはシークレットで水木一郎さんクラスの大物しかないだろうと。

ですがそのステージの内容は、とても予想できない内容でした。ももクロちゃんたちは『キン肉マン』に登場するキン肉マン、テリーマン、ラーメンマンといった超人のコスプレ…それもかぶりものありの、やりすぎの域の扮装で現れたのです。