アイドルの話をしようと思います。
2013年8月23日~25日に開催された“Animelo Summer Live 2013 -FLAG NINE-”初日の出演者リストを見た瞬間、震えが走りました。『アイドルマスター シンデレラガールズ』、μ’s from『ラブライブ!』、『ミルキィホームズ』……そして、ももいろクローバーZ。
このところ、2.5次元世界のアイドルたちが脚光を浴びています。アニメやゲームの2次元世界のアイドルキャラクターたちを、演じる声優さんたちがCDを出したり、ライブをやったり。
3次元世界にも顔を出しているから、2.5次元です。最近はCDの売上チャートで彼女たちの名前を見ることは日常ですし、『シンデレラガールズ』がオリコン週間ベスト10に5枚同時ランクインという快挙を成し遂げたのは記憶に新しいところです。
それぞれのフィールドで輝く彼女たちが一同に介したらどんなに楽しいか、一度は夢想した人も多いのではないでしょうか。僕も思ってました。そして、それを実現するような夢のステージがあるとすれば、それはきっとアニサマしかないだろうとも。
今、声優界はなかなかにとんでもないことになっています。僕が一緒に歩んできた世代では水樹奈々さんや田村ゆかりさんがアーティストとして完成の域に達しつつあり、若い世代では黒沢ともよさんや大橋彩香さんのような才能の固まりのような10代が続々とデビューしています。
そんな、選りすぐられた声優の世界からさらに選ばれた女性たちが、今、様々な作品を通して本気で“アイドル”という物に取り組んでいるのです。80年代的なアイドルの“幻想”が失われつつある今だからこそ、キャラクターという煌めきをまとった彼女たちには、あるいは現実のアイドルすら超えうる可能性があるんじゃないでしょうか。
そこに来て、今回のアニサマです。ももいろクローバーZです。
ももクロちゃんといえば、現役最強のパフォーマンスを誇るアイドルであることに、異論は少ししかないと思います。いや、パフォーマンスなら℃-uteが、SKE48がといった異論は大いにあると思うんですが、やはり2.5次元アイドルの世界側から見ると、アニソンにも関わり、個々が強いキャラクター性を持ったももクロちゃんという存在は一番わかりやすい黒船、現役最強のアイドルの象徴だと思うのです。『アイドルマスター』の世界では、最強の存在をゲームシステムになぞらえて“ランクSアイドル”“アイドル神”といった表現をします。それに従うならももクロは間違いなく、その称号にふさわしいんじゃないでしょうか。
でも、ほんの少しだけ。アニサマという、アニソンの世界のステージなら。ひょっとして存在で神を食ってしまう“アイドル”たちがいるんじゃないか?
そんなかすかな期待を持って、アニサマの初日に臨んだのでした。