概算できる?できない?

「ジャガイモと牛乳2パックを買ってきてちょうだい」とお使いを頼まれたとき、「1000円持っていけば足りるだろう」と概算ができる子がいます。一方、“356+468”の計算が出来ても“概算”がわからない子がいます。

買い物の経験を通して相場を知っていることが、“概算できる”ためには必要ですね。

概算も算数で出てきますが、体験があるとあっという間に理解できます。

文章題の単位で不正解

小学校年1生の問題では、漢字をまだ全部習っていないので文章は“ひらがな表記”です。

“えんぴつが3ぼんありました。あたらしく2ほんかってきました。あわせて、なんぼんになったでしょうか”

3+2=5。答えは「5ほん」です。でも必ず何人かは「5ぼん」とおかしな単位を間違えて書きます。最後の問いの単位をそのまま書いてしまうのです。

問題では日本語の文章上「あわせて、なんぼんですか」の設問となりますが、答えが“5”であれば「5ほん」が正解です。このようなひっかけ問題は小学校では実際にはあまり出ませんが、あえて与えていました。

普段、なんでも「1つ、2つ」としか数えていない子がこのような間違いをします。

一方、魚を一尾、二尾、兎を一羽、二羽と数えられる子もいます。それらの子は単位を正しく書くことが出来ます。

「ごぼん」と回答した生徒の保護者からは「問題が悪い」とクレームを受けましたが、「物の単位の正確な言い方を日常会話の中で親が使ってほしい」と感じました。

犬の体重を測るにはどうしたらよい?

これは小学校2年生の算数の“重さの単元”に載っていた問題です。

“犬の体重はどうやって測ればよいでしょうか?”

単にキロ、グラムを学習させるだけでなく、「犬の体重ってどうしたら測れる?」ということを「子ども達に考えさせよう」という課題でした。

いろんな答えが出ます。

  • 押さえつけて測る
  • 寝ている犬をそっと体重計に置く
  • 動物病院に連れて行って専用器械で測ってもらう

でも、犬は押さえつけたら暴れますし、測る物体以外の力が加われば正しくは測れません。又、寝ている犬は持ち上げた途端、起きてしまいますし、いちいち動物病院に連れて行くのは面倒です。

頭を働かせる子は違います。

  1. まず、自分が体重を測る
  2. 次に犬を抱っこして一緒に体重計にのる
  3. 犬と自分の体重の合計から、自分の体重を引く

となる訳です。これは子どもの頭の柔軟性を見るために作られた問題です。

まとめ

計算力を付ける、文字を覚えるなど知識を与えることは大事です。でも、それを活かす場がなければ‟宝の持ち腐れ“となってしまいます。

問題解決能力を付けるためには、机上のプリント学習をさせるだけではなく、幼い頃から実体験を積ませることが大切ですね。