人からの関心が気になる理由

たとえば、笑顔で挨拶したけれどあからさまに無視されたり、LINEでメッセージを送ってもいつまでも既読スルーで置かれたり、他人からネガティブな対応をされる自分を見ると心が怯み、悲しくなります。

こちらが相手に悪い感情を持っていないときほど落ち込みますが、そこで考えたいのは「自分が知らない相手の事情」です。

相手がこちらの状態をすべて把握していないのと等しく、自分も相手の状況について知らないことのほうが多いはず。

無視をするのは何か理由があるのか、もしかしたら自分とは無関係の事情があってそうなっているのかもしれない、という客観視は、自分を追い詰めないためにも大切な考え方です。

人から向けられる関心が気になるのは当然で、誰だって他人とは「普通に」関わっていたい、ネガティブな状態は避けたいと思うのが自然。

一方的にないがしろにされるような場面で受ける衝撃は、「相手にとって価値の低い自分」を見るからで、その悲しみや怒りに振り回されます。

いわゆる自己肯定感の低い人ほど、他人から向けられる関心に敏感でささいなすれ違いでも過剰に反応し、「自分が何かしたのでは」と落ち込みます。

「相手を怒らせるようなことをした自分」を勝手に設定し、「だから自分はダメなのだ」と相手の事情を知ろうとしないまま決めつけてしまうと、本当のことはわからず自信だけを失っていきます。

相手と話し合う勇気が出せないときでも、自分を追い詰めるのではなく「そういう状況があった」とだけ受け入れておく、ひとりで勝手に良し悪しを決めない姿勢は、いざ相手と向き合ったときの心の余裕を生みます。

「自分と等しく相手にも事情がある」と思えれば、自分の価値を過剰に低く見積もることはしなくなるはずです。