「心の自立」は自分のため
居心地のいい関係とは、自分も相手も同じようにリラックスできる、それぞれが素直に自分の意思を口にできる風通しのいい状態だと筆者は考えます。
そうなるためにはお互いの信頼が必要であって、信頼を育てる過程ではすれ違ったり衝突したり、もあるのが普通だとも思います。
ネガティブな状況を一緒に乗り越えるためには、ふたりの心が自立していることが欠かせません。
心の自立は相手の状態によって自分の気持ちを決めるような在り方ではなく、「こうありたい」を素直に出せる勇気、それは自分を信じる力のことです。
相手の状態に左右されずに「こうありたい」を伝える姿が境界線になり、それを見た相手は「自分も」となるのが愛情。
向き合うためには相手を離して見る必要があり、その距離があるから風が通り、心を開いて気持ちのやり取りができます。
「嫌われたくない」に縛られるとこの適切な距離を作ることができず、窮屈な状態で相手を見るため、相手もまたこちらのことを正しく知る機会を持てません。
嫌われるのを恐れて相手の在り方に従うのではなく、素直に本音を伝える姿勢がまず自分にとって居心地のよさを生み、それを受け取った相手もまた、素直に「こうありたい」を伝えてくれるのを筆者は経験しています。
心の自立は何より自分のためであり、無理をしてまで相手に寄り添うことが決して正解ではないのだ、ということをもう一度考えてみたいですね。
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誰だって他人から向けられる関心は気になって、自分の思う通りに受け止めてもらえないのを見ればショックを受けますよね。
そのときに考えたいのは自分のやり方であって、相手の受け止め方を操作することはできません。
相手とうまくいかなくても自信をなくさないコツは、自分なりに誠意を持って相手と接すること。
その姿勢があれば、たとえ嫌われたとしてもいい意味で「仕方ない」と距離を取ることができます。