外国人の声真似で、その名を呼びたい「アサヒスーパードライ」
そして、アサヒビールの定番銘型「アサヒスーパードライ」をいただきます。
テレビCM の影響でこの商品名を口に出すとき、外国人の声風になってしまう人がいるとかいないとか。それはさておき、そのキレの良さから「夏場はやっぱり『アサヒスーパードライ』」と言う人も多い銘柄です。
最初は辛いアタックが口いっぱいに広がりますが、同時に強いキレを感じるとともに、発酵由来のビールらしい香り、ホップの香りを同時に感じることができます。
それでいて後味もスッキリしており、この全体のバランスの良さが多くのファンを魅了しているように思います。
特に、アサヒビール本社のある東京・浅草エリアでの支持率が高いのも特徴的。江戸っ子が多く好む銘柄でもあります。
「幻のアサヒ」と呼ばれた飲食店ご用達がルーツの「アサヒ生ビール」
今日の「アサヒスーパードライ」の絶大な支持は前項の通りですが、この銘柄が発売される以前の1980年代中半は、アサヒビールは低迷期を迎えており「夕日ビール」とさえ揶揄されることも多くありました。
そんな中、アサヒビールの開発者は起死回生を願い「マルエフ」という開発記号の名のビール作りに没頭。試行錯誤を繰り返した末に、完成させたのが、ここでいただく「アサヒ生ビール」でした。
完成後、開発者の願いが叶い、特に飲食店での支持が高まりアサヒビールは起死回生を果たすことになったわけですが、その後「アサヒスーパードライ」が発売されると、市場のニーズはこちらに強く傾斜。「アサヒ生ビール」の一般市場向けの缶ビールは廃盤となってしまいました。
それが近年、復活させたのが同商品になるわけですが、一口目は極めて控えめ。「アサヒスーパードライ」の強い辛口を好む人には少々物足りなく感じるかもしれません。
しかし、「このまろやかな味・口当たりこそが良い」と思う人もおり、独特の風合いにハマると抜け出せなくなるという声もあるほど。
ワイワイ騒がしい場でいただくというよりは、比較的まったりと、静かに酒を楽しむシーンに向いているビールのように思いました。