「心を守りたい」から相手を拒絶する

衝突の内容がちょっとしたことでも、すぐに切羽詰まって関係を切ろうとする人は実際にいます。

その場で問題を解決できなかった不満や不安が、相手との今後の関係について悪い想像しか招かず、その状態に身を置くことが耐えられないのかも、とすぐに相手を拒絶する行動を起こす様子を見ていると感じます。

切羽詰まると、冷静に事態を判断できず極端なことを相手に伝えてショックを与えますが、そうすることでしか心を守れないのかもしれません。

相手が自分についてどう思っているのか、また自分は相手とこれからどうしたいのか、きちんと気持ちを見つめて答えを出す余裕がないのですね。

「これ以上傷つきたくない」と思うから自分の言葉を一方的に変えてでも貸したものを返せと迫り、つながりを断ち切って一刻も早く楽になる道を選びます。

そのとき置き去りになるのが相手の気持ちで、このケースでも男性は女性に「どうしたいのか」を確認することはありませんでした。

本当に関係を続けたいのであれば、まず自分が冷静になり気持ちを整理する時間を作りますが、すぐ切羽詰まって相手を拒絶する振る舞いしか出せないのは、それだけ自分に自信がないから。

「頭を冷やしてもう一度話し合う」という選択を思いつかない、またできないのは、相手といい状態に戻れる自分を想像できないからともいえます。

そのときの男性にとっては「関係を切る」ことしか心を守るすべはなく、切羽詰まった心では相手を拒絶する自分がどんな印象を与えるかなど考えることはできません。