ブロックする人は「理解を諦めている」状態

いろいろなケースを見聞きしていると、こんな人がブロックを解除するのは「ブロックされた側がそれでも接触を持ちかけて何とか話し合いを再開し、仲直りが叶ってから」「半年や一年後などかなりの時間を置いてから」が圧倒的に多いのが実際です。

ブロックした側がそれを解いてまた積極的に相手に関わりを持ちかけるケースもありますが、この場合はブロックから解除までの期間も短いのが特徴でバタバタと慌ただしく、落ち着きがないのがわかります。

ブロックした人に話を聞くと、「そうするしかなかった」「これ以上嫌な思いをしたくなかった」と“好きでブロックしたわけじゃない”がわかる言葉が多く返ってきます。

しかし、そこに見えるのは相手によって傷つく自分、「嫌われて相手のなかで無価値となること」へのおそれがあるのです。

ブロックは自分の行動も縛る極端な選択であり、そこまでしなくても音信不通を通すことはできるのですが、「完全な拒絶」をしないと気が済まない、心が落ち着かないのですね。

「これ以上話し合いをしても仲は戻らない」「理解してもらえることはない」という諦めがその人にはあり、そんな状態に身を置くストレスに耐えられないから雰囲気が悪くなると「すぐに」ブロックしてその現実から逃げようとします。

心の距離が近い人とうまくいかない不安や焦りは相当に強く、誰だって苦しいものですが、正面から気持ちを打ち明けあって乗り越えるのではなく「理解を諦める」までが早いのがブロックする側の心理。

自分の気持ちを言葉にするのが苦手だったり、相手に良く思われない自分への想像に押しつぶされたり、心を開く勇気を持てない不安定さが垣間見えます。