「在り方」の軸を自分に置く
たとえば自分が連絡先をすべてブロックするほどの人とは、どんな存在でしょうか。
これ以上関わりたくないから拒絶するのであり、そう思われるのは確かに悲しいですが、同時に「良い縁ではないのだ」ということもわかります。
そこまでつまずいてしまうのは原因があり、それがどちらにあってもこんな極端な選択が生まれるなら、今は離れるのがお互いにとって穏やかな日常を取り戻すために大切だと筆者は考えます。
拒絶されたショックは大きくつらいけれど、それに引きずられて相手の気持ちや仲直りすることばかり考えてしまうと、自分の「どう在りたいのか」の本音がわかりません。
相手の在り方は相手の問題であり、それを基準に自分の気持ちを決めるのではなく、自分自身は「ブロックをされたそのうえで、どう在りたいのか」をしっかりと考える強さが依存を避ける境界線です。
「この人と自分はどうなりたいのか」「この人と自分はどんな関わり方をしたいのか」、コミュニケーションをとる軸は自分にあります。
不安や焦りが強いと、何を想像しても「また好かれること」「元の状態に戻ること」ばかり意識が向きがちですが、そのときは「ブロックまでして自分を遠ざけたがっている相手」の気持ちを考えましょう。
仲直りは自分の一方的な願いであり、かたくなになっている今の相手にどんな姿を見せればいいのか、それは本当に「こう在りたい」自分でしょうか。
「今の」お互いの気持ちには大きな溝があることを、忘れてはいけません。
自分の在り方は自分で決めるのが自立であって、衝撃が大きいときほど衝動に身を任せるのではなく心を落ち着かせるのが先。
焦って動けばかえって苦しみが増すことは多く、行動の責任は自分にあることを考えれば、「どう在りたいのか」をきちんと見る冷静が自分を救います。
心の波が落ち着いて客観的に状況を把握できるようになると、「このまま離れたほうが自分のためかもしれない」「そこまでして仲直りをして、本当に自分は幸せなのだろうか」と、これからについて地に足のついた想像ができるようになります。
本音はどうなのかを知り、それに従って動くのが、「その後」の穏やかさにつながります。
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心の距離が近い人を「すぐに」ブロックする人は、痛みに耐えられない弱さがあります。
こちらと向き合うことを放棄するのは相手の選択であり、それに振り回されると自分の在り方が不安定になり、いつまでも落ち込みから浮上できません。
まず自分はどう在りたいのか、ブロックされたときは相手ではなく自分の心と向き合う強さを、忘れずにいたいですね。