現在につながる過去を思い出してみて

筆者の場合、つらかった依存状態を抜けて久しいですが、冷静に振り返ってみると「他人と正しく関わることができている自分」もまた、はっきりと自覚することができます。

筆者にとっての正しいとは自分の本音に従って素直に愛情や好意を伝えていく姿、その自分が相手に受け止められて同じように愛情や好意を伝えてもらえることです。

ともに関係を続ける努力ができる人の存在は本当にありがたく、「がんばって変わってよかったな」の実感は、いつでも自信の底にあります。

そうやって自分を変えてきた過程もまた過去であり、あっけなく他人を傷つけ自分まで貶めてきた過去と並んで受け入れるべきもの。

自分の在り方を変えるのは本当に難しく、「それまでとは違う考え方や接し方をする」のは勇気がいることですが、培われてきたのはつらいときでも衝動に負けない堪える力、その結果相手と縁が切れるのではなく前向きに関係を続ける意思を大切にできています。

「その自分」もまた、昔のものとして心に積み重なります。

そう考えれば、過去の嫌な自分が出てきて苦しいときは「努力してきた自分」を忘れていることで、そちらの姿もあえて引っ張り出してみるのも、落ち込みを防ぐ一つの方法です。

うまくいった瞬間は自分がどんな姿を見せているときだったか、そのときの喜びや幸せを思い出せば、過去の「ダメだった自分」に負けない強さを持てます。

現在もまた等しく過去になっていく。その意識が、「ダメだった自分」を凌駕するポジティブさにつながるのでは、と思います。