田村ゆかり『ほんのり桜色』

田村ゆかりさんの9枚目のフルアルバム『春待ちソレイユ』収録曲。春ソングにしては珍しく、打ち込みをメインに制作されたテクノポップ曲です。

恋心を桜色に上気した頬と目線に託した歌詞と、そんなロマンティックな歌詞世界を可憐な歌で盛り上げる田村さんの表現力に惹かれる1曲。

90年代の都会的なJ-POPを彷彿とさせるラグジュアリーなトラックに、田村さんの声質がよく合っており、大人びた色気とアイドル的な可愛らしさが同居した、とても良くできたナンバーです。

シングルは勿論、カップリング曲やアルバム収録曲にも名曲多数な田村さんですが、その中でも春らしい雰囲気たっぷりの素敵なラブソングとなっています。

桂ヒナギク starring 伊藤静『春ULALA LOVEよ来い!!!』

『ハヤテのごとく!』で絶大な人気を誇ったヒロイン、桂ヒナギクのキャラクターソングで、同作のテレビアニメ版第4作目となる『ハヤテのごとく! Cuties』のオープニングを飾った1曲です。

桂ヒナギクのキャラソンといえば、オリコンチャートの7位にランクインした『本日、満開ワタシ色!』が有名ですが、春らしさでベストを選ぶならば、やっぱりこの曲でしょう。

オーケストラヒットの多用でメロディを盛り上げる構成は、ストレートなアイドル歌謡を思わせるポップなニュアンスがあり、リスナーの心を躍らせ、ときめかせる仕上がりに。

その王道感により一層の鮮烈さを加えているのが、ストリングスで、その美しい音色は、メロディを多層的なものにするのと同時に、曲全体をより一層盛り上げています。

ヒナギクの"中の人"である伊藤静さんの可愛さと艶を含んだ歌声も、溌剌としたサウンドにピッタリで、春の陽気を思わせるような多幸感に溢れています。

鈴村健一『春の日よ』

男性声優曲でオススメの春ソングということで筆者が一推ししたい曲が、鈴村健一さんの『春の日よ』です。

「旅立ち」をコンセプトにしたセカンドフルアルバム『CHRONICLE to the future』の収録曲で、"卒業"をテーマに、人生の新たな旅路へと出発する主人公の姿を描いた楽曲となっています。

鈴村さんの力強い歌声が気持ちよく、軽快なバックバンドの演奏も、その快さを後押し。アニメ作品での声の演技に加え、"歌手"としての人気も高い鈴村さんですが、そのボーカリストとしての実力を感じることができます。