夏井睦『炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学』という本では、「炭水化物は嗜好品だ」としています(やや過激なタイトルですが、著者は、傷を乾かさないで直す湿潤療法のパイオニア。説得力のある論説と、実体験の記述は、まさに目から鱗が落ちるようでした。糖質制限の仕組みを理解したい方にはおすすめです)。

なるほどこれは、糖質制限を実践している身からすると、うまいこというなぁという実感があります。

たとえば、お米って美味しいですよね。私も大好きです。しかも、安くて、すぐに満腹感に浸れる。でも実は、他でしっかり栄養を取っていれば、食べる必要が無い。それどころか、食べ過ぎればダイレクトに肥満の原因になる。

「こんなに食べても、ぜんぶ脂肪になっちゃうんだ」と思うと、結局最近は、お米を本当に食べたいときにだけ食べるようになりました。欠かせない食べ物というより、“記念日に食べるケーキ” のほうが近い肌感覚です。

都合の良いことに、たまに食べるからこそ、いつもより美味しく感じもします。まさに、“炭水化物は嗜好品” だと思います。

 

手順2:糖質が多く、たくさん食べる食品を把握する

“制限” という語感から、禁欲的な印象を受けるかもしれませんが、糖質制限を実際にやってみると、(糖尿病治療のようなスーパー糖質制限でなければ)こんなんで本当に痩せるの? という感じの、気楽なものです。

もし、体重が増え続けているのなら、まず炭水化物の過剰摂取です。今までより炭水化物を食べる量を減らせば、ほぼ確実に改善します。手軽なのは、朝・昼・夜のうち一食を、糖質少なめにする方法です。

そこで重要になってくるのが、

・糖質が多く含まれている
・なおかつ、大量に食べる

という条件に当てはまる食材の把握です。

糖尿病の治療ではないので、神経質に糖質を排除する必要は、まったくありません。家の中が寒いなーと思ったら、隙間風が入ってきていないか確認するよりも、まず全開になっている窓を閉めますよね。糖質制限も、大量摂取している部分を押さえてしまうのが、最も効率が良く、目に見える成果につながります。

1. 米
2. 小麦製品(パン、麺類など)
3. いも、トウモロコシ
4. スナック菓子
5. 砂糖が多く使用されているもの

おおよそ、この5つの分類を意識すればいいでしょう。

加えておすすめなのが、食品のパッケージに記載されている “栄養成分表示” をチェックする癖をつけることです。

手の込んだ加工食品なんかだと、なかなか炭水化物の含有量を掴みづらいんですが、“栄養成分表示” をちょこちょこ見るようにすると、だんだんとイメージが掴めるようになります。

それに、「なるほど、これにはこんだけ炭水化物が入っているのか」と見ていると、なかなか面白いんですよね。私はコンビニやスーパーへ行くと、熱心にパッケージの裏ばかり見ているので、店員さんからヘンな目で見られていると思います。