手順3:カロリーという概念はきれいさっぱり忘れる
糖質制限が楽チンなのは、減らした炭水化物の分を、タンパク質や脂質で補って問題ないという点です。つまり、ご飯を少なくしたのなら、代わりに肉や魚や卵を満足するまで食べていいんです。
カロリーという概念は、きれいさっぱり忘れて大丈夫。インスリン分泌が少なければ、中性脂肪はそれほど合成されないし、“糖新生” によってタンパク質や脂質はうまいこと消費されます。カロリー計算は、空気中での燃焼に基づいていて、こうした人体の代謝機能を精密に考慮していないんです。
論より証拠、実際にやってみるとわかりますが、規格外れの大食漢でない限りは、脂が乗ったジューシーな肉を満足いくまで食べたところで、ぜんぜん太りません。そういえば、お正月に食べたすき焼き、美味しかったなぁ。
手順2で「米やパンや麺類が食べられないんじゃ、食の楽しみが減るじゃないか」と思った方も、これなら安心ですよね。トンカツ、天ぷら、焼き肉など、脂っこいものでも好きなだけ食べられます(揚げ物は、衣が糖質ですが、よほど着ぶくれしているものを食べ過ぎない限り、少量なのであまり考えなくて大丈夫です)。
むしろ、満腹の罪悪感がなくなるので、糖質制限をしたら食の楽しみが広がった、というのが私の実感です。グルメな方にこそ、おすすめですね。
ただ、普通にやろうとすると、どうしても食費は上がってしまうので、お財布のやりくりについては “腕の見せ所” にはなってしまうのですが!
手順4:確実に糖質カットする食事を決めてしまう
最も糖質制限をしやすいのは、一人暮らしで、自炊している方だと思います。何を食べるか、どんな献立にするのかを自分で決められるので、ご飯やパン抜きの食事を用意するのも簡単です。
逆に、パートナーや家族に食事を作ってもらっている(作っている)方は、かなりややこしいことになります。まず、炭水化物を減らすと聞けば、今までの食の常識から「そんなんじゃ体を悪くする」と反対されるケースが多いでしょう(実際には、減らした分をしっかりタンパク質・脂質で補えば問題ないのですが)。
加えて、“ご飯+おかず” という、今までの王道が使えなくなるので、作り手としては困ってしまいます。一人分だけ別の食事を用意するのは手間でもあるし、またタンパク質・脂質を増やせばエンゲル係数も高くなりがちです。
そこで、それぞれの事情によって、「確実にタンパク質と脂質を主食にする食事」を、朝食か、昼食か、夕食か決めてしまうのがおすすめです。経験上、三食のうち一食だけだとしても、継続できさえすれば、しっかり効果が出ます(もちろん、三食ともタンパク質と脂質を主食にしたほうが、体重は早く減っていきますが)。
例えば、朝食と夕食を、パートナーや家族に作ってもらっている(作っている)方なら、自由になるのは昼食です。昼食を確実にタンパク質と脂質を主食にすると決めてしまえば、立派な ”ゆるい糖質制限” になります。
おもしろいのは、私が自宅で「体重が減った」とあんまり騒ぎ続けるものだから、妻もいつの間にか糖質制限をするようになった点です。そりゃ、やればまず間違いなく体重が減っていき、体調も問題ないのを目の当たりにすれば、痩せたいと思っている人は誰でも、「え、じゃあ私もちょっとやってみようかな……」となりますよね。
仮に、パートナーや家族からヘンな目で見られたとしても、理屈をしっかり説明しながら、「ほらこんなに痩せた!」と騒ぎ続けることで、周囲を巻き込んでいけるケースもあるんじゃないでしょうか。そうなれば、より糖質制限をしやすくなりますね。