保育参観をしたら「部屋から脱走する子がいた」「紙芝居の時間に玩具で勝手に遊んでいる子がいた」。
まるで小学校の学級崩壊みたい…でも、家でも食事中にじっとしていられず立ち歩くなど、似たようなことをしているとちょっと心配になってきませんか?
『「テキトー母さん」流子育てのコツ』の著者の立石美津子が“幼児期から家庭でやっておいた方がよいこと”についてお話します。
小学校から義務教育が始まり、制度上、年長の3月31日から4月1日の一晩で「幼児→小学生」と呼び名は変わりますが(正確には入学式を迎えてから“小学生”となりますが)、子どもの中の何かが入れ替わる訳ではなく、単なる時間の連続です。
幼児期に椅子に座る習慣がない、園や家庭で基本的な躾をされてきていない。
こうして自分の気持ちや行動をコントロールできないまま入学式を迎えると、8時~14時くらいまでの学校生活に耐えられず、1コマ45分間椅子に座って学習できない、列に並べないとなり、児童も担任もとまどう状態になります。これが“小1プロブレム”です。
ブロークン・ウィンドウ理論とは
“ブロークン・ウィンドウ理論”という言葉があります。
建物の窓が壊れているのを放置すると「誰も注意を払っていない」という象徴になり、やがて他の窓もまもなく壊されていくの意味です。
犯罪の多かったアメリカで検証された理論で、日本語訳では“割れ窓理論”とも言われます。
例えば、街の壁に落書きがされていたとします。最初は一部だったのに1週間後に同じ場所を通ってみると、かなり大掛かりな落書きに広がっていることがあります。
そして、これをそのまま放置していると「誰も地域に対し関心を払っていない」のサインとなり、犯罪が起こる環境を作り出すという意味です。
自転車のカゴがゴミ箱に!
筆者の経験ですが…
自転車を置いておいたら前のカゴに空き缶が1個、ほおり込まれていました。翌日見ると空き缶は2個に増えていました。翌々日行くとテッシュやスーパーの袋も入れられていました。
綺麗だったカゴがゴミ屋敷化していました。「これってブロークンウィンドウ現象?最初に投げ込まれた缶を捨てておけば、こんな風にならなかった」と思いました。
小学校での学級崩壊
“学級崩壊”とは…
学級がうまく機能しない状況です。子どもたちが教室内で勝手な行動をして教師の指導に従わず、授業が成立しないなど、集団教育という学校の機能が成立しない学級の状態が一定期間継続し、学級担任による通常の手法では問題解決ができない状態に立至っていること
例えば
- 授業中、勝手に席を立つ
- 私語が止まない
- 先生の話を聞かない
- 先生の言葉の挙げ足をとり授業の進行を妨害する
- 先生に注意されて逆切れする
- 先生に「死ね、うざい」などの暴言を吐く
でも、小学生になって急に子どもが変わってしまうのでしょうか?
“小1プロブレム”“ブロークンウィンドウ現象”“学級崩壊”を避けるためには、幼児期に保育園、幼稚園、そして家庭内どんな対応をしておけばよいのでしょうか?
保育園での対応
幼児は本来落ち着きがないものです。自分が興味関心を持てないことに対してはじっとはしていられないもの、それが自然の姿です。
それでも、年齢に応じて一定時間椅子に座る習慣をつけることが大切になってきます。
例えば、年長クラスでのこと、「みんなで先生の紙芝居を聞いているときトイレに行きたくなった」そんな子がいたとします。