攻撃陣にとって、とっておきのアピールとなるハットトリック

豊田陽平(サガン鳥栖) ©J.LEAGUE PHOTOS

日本代表23名が発表される2日前、選手たちにとって最後のアピールの場となるJ1リーグ戦第13節がキックオフを迎える。残り90分間でメンバー入りの座を射止めるのは、容易ではない。ただ、攻撃陣にはわずかながら可能性がある。アタッカー陣にはゴールという明快で強力な結果がある。わずかな可能性にかけるのならば、1得点ではなく、複数得点が必要だ。そう、ハットトリックを達成すれば、これほどわかりやすいアピールはない。

川崎フロンターレは5月10日(土)・等々力陸上競技場で鹿島アントラーズを迎え撃つ。2013年得点王で、今季も得点ランキング4位タイとなる6ゴールをマークする大久保嘉人は、日本代表待望論が叫ばれて久しいストライカーだ。南アフリカW杯を経験したFWが、3位につける鹿島DF陣を粉砕すればインパクトを残すことができる。

インパクトと言えば、豊田陽平である。得点ランク2位タイとなる7得点を叩き出す豊田は、サガン鳥栖のリーグ戦首位の原動力になっている。ヘディングという日本代表にはない武器を持っているのも心強い。5月10日(土)・日産スタジアムでリーグ最小失点を誇る横浜F・マリノス守備陣、中澤佑二、栗原勇蔵という高さに定評があるDF陣に競り勝てば、これ以上のアピールはない。
 

齋藤に川又、キャラクターを確立したアタッカー陣たち

齋藤学(横浜F・マリノス) ©J.LEAGUE PHOTOS
川又堅碁(アルビレックス新潟) ©J.LEAGUE PHOTOS
 

得点ランクに上位に名を連ねていないアタッカー陣は、ゴールへの渇望はさらに強い。
5月10日(土)、鳥栖をホームで迎え撃つ横浜FMの齋藤学は、ACLでは3ゴールをマークしたが、リーグ戦では第2節以来得点から遠ざかっている。しかも、ここ2試合はコンディション不良のため途中出場にとどまっている。スピードに乗ったドリブルでシュートまで持ち込める齋藤のキャラクターは魅力的だ。だからこそ、ゴールという結果がほしい。

泥臭さと豪快さを兼ね備える川又堅碁(アルビレックス新潟)も、ここまで思うような結果を残せていない。怪我の影響もあり、3得点を挙げたのみ。持ち前のポストプレートとともに、豪快な左足のシュートは日本代表でも武器になるだろう。泥臭いまでのゴールでの執念は、岡崎慎司に勝るとも劣らない。5月10日(土)・日立柏サッカー場で、柏レイソルを相手にゴールラッシュといきたいところ。