自身が指揮したW杯での経験も踏まえて、岡田氏は今のザック・ジャパンに不安がないことを語った。さらに岡田氏は、ここ最近、ヨーロッパを訪れ、さまざまな監督たちと会ってきたというのだが、現在の日本が世界からどう見られているかを教えてくれた。

日本人はヨーロッパからどのように見られている?

 

「ヨーロッパに行っていろいろな監督に会って話してきたんですが、スペイン代表のビセンテ・デルボスケ監督には『お前ら日本人って外からどう見られているか知らないんじゃないのか?』と聞かれたんですね。

それで『なんで?』と返したら、『お前らは素晴らしいチームだ。我々と同じレベルだと思っている。コンフェデレーションズカップでは負けたかもしれないが素晴らしいサッカーをしていた』って言われたんです。

イタリアのチェーザレ・プランデッリ監督にも『日本はすごくいいチームだ』と言われましたし、アンドレ・ビアス・ボラス監督にも『日本はすごいチームだ』と言われました。

 

それこそアーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督には、2010年W杯前に会ったときには『オカ、お前、このグループで勝てると思ってるの? 勝つのは無理だ。もしこのグループを勝ち抜いたら、オレが東京にお前の銅像を建ててやるよ』って言われたのですが、今回、会ったときは『いけるんじゃないか』って言われましたからね」

ちなみに、2010年W杯でグループステージを突破した岡田氏は、再会した際に、ベンゲル監督に銅像を建ててもらっていないことを訴えたというが、とぼけられたという。話しは少々横道に逸れたが、日本代表は岡田氏が率いてW杯に初出場した1998年から、今日までの16年間で目覚ましい成長を遂げている。岡田氏曰く、この躍進にはAFCやFIFAも注目しているというのだ。

続いて中山氏が登場し、2人のトークセッションが始まると、そこでも日本サッカーの成長についての話題となった。笑いを交えつつ岡田氏はこう語ってくれた。

 

  

「ゴンと柿谷(曜一朗)を比べてもらえれば分かると思います(笑)」

 中山氏はすかさず、こう返して笑いをとる。

「僕のほうが上ってことですか?」

 岡田氏も負けずに返して、観客を笑わせる。

「それじゃあレベルが下がったということだ(笑)」

そして日本のサッカーが、Jリーグが、成長、飛躍していることを、まだ現役を引退して間もない中山氏は選手目線で語ってくれた。